鮮やかに【Atsuto.u】 (ページ26)

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ハッとなって目を開けると、見慣れない天井。

右手には、微かな体温。

篤人くん、いてくれたんだ。

繋がった右手を眺めていると、いろんな事を思い出す。

篤人くんはいままで出会ったどんな人より、すごく懐かしい感じがする。

不器用に優しくて、あったかくて、心地よい。

…甘えてしまいそうで、怖かった。

好きになったら、だめなの。

だって、いなくなったとき、寂しいでしょ。

篤人「…おきた、？」

だるそうに起き上がってから、私の髪に触れる。

「うん。…マキくんから聞きました？」

眠そうに目をこすりながら、頷いた。

「今までなにも言わなくてごめんなさい。」

篤人「別に、俺も聞かなかったし。」

しれっとそう言ってぷいっと顔を背ける。

…もう、かわいいなぁ。

篤人「槙野くんのね、あんな優しい顔初めて見た。…愛されてんだね、A。」

「私も浦和のみんなのこと大好き。」

篤人「ん、」

たくさんたくさん、愛してもらった。

篤人「中断期間だしさ、日本帰ろっか。」

「…うん。」

篤人くんとだったら、大丈夫な気がする。

篤人くんと出会ってから、色んなことが変わっていく。

楽しくて、楽しくて。

今が永遠だったらいいのに。