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NoSide






物事が収まったことに、太宰はため息をつく。





「太宰さんの新しいお友達、ずいぶん壊れやすいんだね」





少年が面白そうに言う。

後ろを振り向くと、少年が純粋な笑みを浮かべている。







「けどいいんだ。太宰さんを壊す楽しみが残っているもの」







夢野久作。

異能力――『ドグラ・マグラ』




「それはおめでとう」




憎しみの意味も込め、感謝を述べる。

それに気づいているのか、いないのかどちらにせよ久作は笑っていた。







「僕を閉じ込めたお礼に、いっぱい苦しめて壊してあげるね」

「善く覚えているよ。君ひとり封印する為に大勢死んだ。


──次は封印などしない。心臓を刳り貫く」







二人の間に静かな何かが通りすぎた。

そうかと思えば、久作は太宰に囁いた。









「お姉ちゃんは僕のものだから。邪魔しないでね」










小さき少年の宣戦布告。

戦争となっても、変わらなかった太宰の表情が、僅かに動いた。

列車が駅へと着いた。

久作はそれに軽い足取りで、乗り込む。






「ふふふ。また遊ぼうね、太宰さん☆」





バタンと扉が閉まる。

やがて列車は発車し、次の目的地に向かう。

太宰はそれを見送り、静かに呟いた。





「私も策の清濁に拘っている場合では無い······か」





太宰は、蹲り泣いている敦の元へと歩み寄る。

声をかけるが、敦の心は悲鳴をあげていた。

いくら強くとも、18の少年だ。無理もない。







「僕は駄目だ······僕は居ちゃいけなかったんだ······」






そんな敦に太宰は平手打ちを食らわせる。

乾いた音が駅のホームに鳴り響いた。






「自分を憐れむな。自分を憐れめば、人生は終わりなき悪夢だよ」

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清流* - 皆さんのコメント待ってます! (4月9日 20時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ゆいたろー!さん» めっちゃわかる((( (2月6日 17時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - 太宰さんに消えろって言われたい))) (2月5日 20時) (レス) @page42 id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ゆいたろー!さん» ありがとうございます!! (2月5日 18時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ありがとうございます!! (2月4日 7時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:清流* | 作成日時:2024年1月14日 8時

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