Lv.11▼.紫苑。 ページ13
着いたぞ。
小さく呟いたベニマル君は､そっと端に避けた。
『…シオン、ちゃん。』
リムル様の目から遠ざけようと、布をかけられたシオンちゃんと、たくさんの人々。
1歩ずつ、シオンちゃんに歩み寄る。
目の前に立ち、そっと顔を見つめる。
美しい、顔だった。まるで眠っているかのようで。
紫苑の色の髪は、サラリと流れ落ち、長いまつ毛が閉じられた瞳を強調する。
片手で頬を撫でた。きっと冷たくなっているだろう頬に触れても、何も感じなかった。
当たり前と言えば当たり前か。スライムの身体なのだし。
無性に悲しくなってしまった。リムル様がどうしてあそこまで悲しみ、途方に暮れたのか、本当の意味で分かった気がした。
『シオンちゃん。』
語りかける。
『大丈夫よ。結界の中で待っていて。』
大丈夫。その言葉は、シオンちゃんに、という訳ではなく、自分の心を落ち着かせるために沢山繰り返したのだと思う。
『必ずリムル様が助けてくださるから。
安心して眠って。今はしばらく休んでいて。』
それから､周りに眠る名も知らない街の人々にも同じように言葉をかけた。
涙が出ない。
こんなに苦しくて、張り裂けそうで、どうにもならないのに、涙だけは出てくれない。
『スライムって、案外不便ね。』
便利な身体だと思っていたのに。
泣きたいのに、泣けない。
リムル様が言っていた。
痛覚無効なんて、何の役にも立たないと。
張り裂けそうな胸の痛みは、確かに痛覚無効なんかじゃ抑えられるはずもない。
『ベニマル君、ごめんなさい。』
｢…?｣
『暫く、1人にして。
絶対にこの子達に危害は加えないし､
｢……嗚呼、わかった。｣
顔は、見られなかった。
ただ、私のような他人に向けられたとは思えない優しい声音が、静かに去っていく足音が、心に残った。
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諒輔 - 更新してー (1月1日 10時) (
レス) @page27 id: e900712ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅白の巫女 - 面白すぎる！続きいいい (11月8日 18時) (レス) @page27 id: ecef28fcbd (このIDを非表示/違反報告)
おもろー - さいこーーーーーー！！！ (11月5日 21時) (レス) @page27 id: e900712ad7 (このIDを非表示/違反報告)
珠梨(プロフ) - 細石さん» ディアブロカウントダウン！ (9月30日 12時) (レス) @page27 id: ac62a72ef1 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 初めまして。一気に読みましたので感想を。…………面白すぎだろッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!((失礼いたしました。とても面白い作品ありがとうございます。これからもどうか頑張ってください。 (2022年12月11日 18時) (レス) @page21 id: 24bba1a895 (このIDを非表示/違反報告)
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