一章・6話 ページ6
るぅとside
柔らかな微睡を感じながらそっと目を開けると、近くに長い睫毛が見えた。綺麗だと思いながらそっと手を伸ばしたところでやたら動きにくいなと感じる。
身動ぎがし辛くてよじると目の前の人から“ん“、と吐息が漏れた。
……あれ、これジェルくんじゃん。
というか、なんでこんな近くにいるんだっけ。
ほぼ密着といっていい……というか、この動きにくさと体温、微かな動きまで振動で伝わる、これ、は。
「うわあああっ！？」
「うわっ、え、なに！？」
抱きしめられてる、とハッとして思いっきり突き飛ばした。ガタガタ、と大きな音が鳴る。
「るぅと……？」
どうやら突き飛ばした衝撃でジェルくんがベットから落ちたらしい。これは確実に配信でネタにされるだろうけどそれよりも。
「待って待って、どうして」
「なんで俺より早く起きたくせに寝ぼけてんの。ほら立って。」
手を差し出されてゆっくり立ち上がる。段々と昨夜の記憶がはっきりとしてきた。……いや、一緒に寝た、まではいいが、やっぱり抱きしめられてたのは意味がわからない！
「な、なんで？というか突き飛ばしてごめん、大丈夫？」
「平気だけど……え、なになに。その反応ちょっと傷付くわ。」
「な、なんでジェルくんは僕のこと抱きしめてたの」
「落ちそうだったから。今落とされたけど。」
「ご、ごめ……いやいや流石にそこまでくっつく必要はないでしょ！？」
ヘラヘラとジェルくんが笑いながら“朝ごはん作ろ？”とごまかしてくる。
まだ心臓がバクバクと音が鳴っているのを深呼吸で誤魔化すも、先程までの状況を思い出しまた顔に熱が集まる。
(あれ、なにこれ。なにこれ。)
顔の熱が上がるのと同様に心臓のドクドク、という音もやたら耳につく。
(これって、もしかして……)
病気。かもしれない。
動悸と赤面。若年性更年期障害とか、なんかそこいら辺であった気がする。そんな不安に駆られながらジェルくんの元へよる。
「どうしたん、るぅと。顔赤くね？」
「今日病院予約してみる……」
「えっ、そんな悪いん！？寝とき！？」
再度ジェルくんに催促され、今度は大人しく作業も休んで寝るも翌日病院で異常なしという判定が出る。それはよかったが、この日から、なぜか僕はジェルくんの顔をまともに見れないという謎の現象が起こってしまうのだった。
___________
一章完です。
二章はさところの話が混ざります。
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せいら(プロフ) - 律@ティアプリさん» ありがとうございます……！めちゃくちゃ励みになります……！頑張ります(*´∀`)♪ﾜｰｲ (2019年11月24日 23時) (
レス) id: c2535f97e6 (このIDを非表示/違反報告)
律@ティアプリ(プロフ) - めちゃめちゃ好みです…！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください(*´∀｀*) (2019年11月24日 20時) (レス) id: a2d31bad2e (このIDを非表示/違反報告)
せいら(プロフ) - ぱーぷるうさぎ。さん» うわああありがとうございます！小説書くのど初心者なので色々と手探りですがありがたいです…！頑張ります＼(^^)／ (2019年11月22日 21時) (レス) id: c2535f97e6 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷるうさぎ。 - この小説とても好きです！これからも頑張ってください (2019年11月22日 20時) (レス) id: 743cd17f4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せいら | 作成日時：2019年11月20日 9時
