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『和？ちょっと休もう。
顔色が良くないよ』
逞しい翔さんの腕に引かれながら歩く俺の顔を覗き込んでそう言われる。
ここで止まりたくはなかったが、休めるのは素直にありがたかった。
背中に手を当てられ、とりあえずその場にしゃがみこむ。
はぁ…疲れた…
あちこちが痛い。
『ねぇ、大丈夫？本当に、顔色良くないよ…』
「大丈夫だよ」
少し微笑んだつもりだったけれど、まーくんの顔は心配顔そのものだった。
どう言えば、また笑ってくれるかな、なんて考えていると
不意に大野さんが喋り出した。
『なぁ和。これまで長い間和と一緒にいたけど、
俺は正直、和が何を考えているのかは分からない。
でもな？
あぁいいことがあったんだな、とか、何か悲しいことがあったのかなとか。
そういうことは手にとるように分かるんだよ。』
………うん。
大野さんが急に喋り出す時は大抵その内容も突飛なことが多い。
この人は一体何が言いたいんだろう。
『和は今、何を考えてる？』
「え、今？」
『うん。今。』
「何も考えてないよ。ただちゃんと石像にたどり着けたらいいなって。
みんなで無事に帰れたらいいなって、そう思ってるだけ。」
『……………』
「……………」
考えていることがわからないのは、お互い様だ。
他のみんなも手が止まって、静かに大野さんを見つめていた。
俺たちの間に流れる沈黙。
横から流れる風が木々を揺らす音だけが耳に届いて
嫌でもここが山奥の鬱蒼とした森林で、ここには俺らしかいないことを思い知らされる。
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櫻宮 - スピンオフ出たら速攻読みに来ます笑笑和は智たちは新たな道を歩いて行くのでしょう。和が言っていた｢僕を見つけて。｣きっとあの4人の心のどこかにあったんだと思います。 (2021年9月10日 9時) (
レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
Kai(プロフ) - 櫻宮さん» 櫻宮さん、さすがの解釈です...!!(拍手) 初めての長編で慣れていませんでしたが、最後まで読んでいただけて本当に嬉しかったです！スピンオフはまだ未定ですが、何かしら書くかもです！笑 また是非読みに来てください♪ (2021年8月15日 23時) (レス) id: 0d8f9465a1 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - きっと雅紀はあの子と何か関わりがあるのか調べるんだろうなぁと思いました。笑スピンオフ期待してます笑笑素敵なお話ありがとうございますm(_ _)m (2021年8月12日 17時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - このとき５人が探していたものは和は4人との思い出そして4人は和との思い出を探していたんだろうなと思います。最後のなんで泣いてるのか理由は簡単またあの4人に会えたから。凄く素敵なお話でした。 (2021年8月12日 17時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
Kai(プロフ) - Akimiさん» Akimiさん、なんて嬉しいお言葉...(涙) 最後まで頑張って書いた甲斐があります。わざわざコメントまでしていただきとても嬉しいです♪ありがとうございます！ (2021年8月12日 15時) (レス) id: 0d8f9465a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kai | 作成日時：2021年5月17日 20時
