7-2 ページ18
.
気づけば受話器は床に落ちていて、自分は床に座り込んでいた。
電車の事故？
病院に運ばれた？
父さんと母さんが、、、死んだ？
もうどうしたらいいのか分からなくて。
ただ、今すぐ会いたい。それだけだった。
あれからどれくらい経ったのか、親戚の人が来てくれて2人がいる病院に向かった。
行ってみたら普通に笑顔で迎えてくれるかもしれない。これはドッキリで、俺は騙されてるだけなのかもしれない。
そんなことを思いながら案内された部屋へと入る。
けど、そこにはもう
いつものように笑ってくれる２人はいなかった。
何時間か前には、
いつも通りに「いってきます」と言っていたのに。
ただただ、お買い物に行きたくて出掛けただけなのに。
医「お二人は、事故の時も、病院に運ばれてきてからも、息を引き取るタイミングも、全て一緒でした。」
お医者さんが優しい声でそう言った。
この時初めて涙が溢れた。
お互いのことが大好きだった２人は、天国へ行くのも一緒だったんだね。
少しだけ安心する。
でも、、、
僕を置いていかないで、、。
目の前で眠っている２人が「和、泣かないで」と言っている気がして、余計に涙が止まらなかった。
とにかく、辛かった。
それからあっという間にお葬式や告別式が済まされ、俺はまだ高校生だったためそのまま親戚の家に引き取られた。
親戚の家にいても、ずっと自分の部屋に閉じこもって、棚の上に置いてある家族写真を見つめては静かに涙を流す毎日。
和「会いたいよ、、、」
その写真の隣にはもう一つ、大切に飾られている写真があった。
小学校の頃から仲が良かった５人の写真。
みんなは今どうしているのだろう。
こんな自分の姿を見たら心配するだろうな。
そう思って会いたい気持ちを押し殺して毎日を過ごした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 235人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
orange(プロフ) - リクエスト書いて頂いて有り難うございます！心配させたくなくて隠しちゃう感じや、みんなのお互いへの思いやりや優しさがとっても良かったです。またお話楽しみにしています、ありがとうございました(*^^*) (2020年7月8日 20時) (
レス) id: ec0a1d16c2 (このIDを非表示/違反報告)
Kai(プロフ) - orangeさん» orangeさん初めまして。リクエストありがとうございます！！了解致しました！ご期待に添えるか分かりませんが、想像を膨らませて書かせていただきます！しばしお待ちください(^ ^) (2020年7月1日 22時) (レス) id: 63cdd93f47 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませて頂いています。もし出来ましたらリクエストお願いします。他の誰かが体調不良で看病されてる中、二ノが自分の体調を隠して悪化させてしまう、みたいな内容が読んでみたいです(^^) (2020年7月1日 22時) (レス) id: ec0a1d16c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kai | 作成日時：2020年6月30日 18時
