どうしても嫌なこと(S×N) １ ページ20
(ノンリアル設定)
(二人とも男子校の生徒です)
翔side
目の前には、机に伏せ丸まった背中。
カチカチと鳴らしたシャーペンの先で突いても、その背中は全くと言っていいほど動かない。
「おーい。授業中だぞー」
「……」
ツンツン…
「おーい。にーのー」
「なにぃ…翔ちゃん。もう…眠たいんだから起こさないでよ」
もぞもぞと動いてこちらを見たその頬にはくっきりと跡が残っている。
「いやいや、そうは言っても俺一応このクラスの学級委員だし？起こさないわけにもいかないんだよ」
「はぁ、これだから優等生は…」
「ん？なんか言った？」
聞こえていないのか、また机に伏せてしまった背中。
窓から見える校庭にはジリジリとした暑さが立ち込めていて、1週間しか生きられないと言われているあの虫がこれでもかと鳴き声を響かせていた。
こんな季節なのに冷房が入っていないだなんて、この学校もどうかしている。訴えてやろうか。
…それにしても、目の前のこいつは起きる気配がない。
いつもはこんなんじゃないのに、次の授業が大嫌いなアレだからって、それだけでこんなにも項垂れているんだ。
「二宮。おい二宮！にーのーみーやー！」
寝ているニノを見つけたらしい先生が目をぎらりと光らせ、すかさず大きな声で彼を起こしにかかる。
ビクリと体を震わせたニノはようやく顔を上げた。
「前に出てこの問題解きなさい。」
「え、？」
あーーあ。
だから俺の言うこと聞いておけばよかったのに。
仕方なく、俺は手元にある自分のノートを机の下へと持っていき、コツンと彼の足に当てた。
焦ってキョロキョロしていたニノは俺と一瞬目を合わせると「ありがと」と小さく呟いてからノートを手に前へと出て行った。
戻ってくるとそのノートに何かを書き込み、同じように机の下を通して返してくる。
"優等生翔ちゃんだいすき"
って………喧嘩売ってんのか？
暫くして、授業の終わりを告げるチャイムが校内に鳴り響いた。
俺たちのクラスは次の授業のため、外へと移動しなければならない。
「ニノ、行くぞ」
「やだ」
「やだじゃねーよ。遅れるから！ほら行くぞ」
周りの奴らは水着やタオル等が入ったバックを手に教室を後にしていく中、俺は未だ席を立とうとしない彼を引っ張って立たせることで必死になっていた。
仕方なく、彼の分の荷物も俺が持ったため、
右手には2人分の荷物、そして左手には項垂れたニノ…というおかしな状況になった。
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Kai(プロフ) - D6Xsjr4yamineさん» コメントありがとうございます！！！お話楽しんでいただけて嬉しいです(^^)リアルなお話もたくさん書きたいなと思っているので楽しみに待っていてください！ (2022年3月27日 19時) (
レス) id: c5c988b758 (このIDを非表示/違反報告)
D6Xsjr4yamine(プロフ) - かわいい二宮くん沢山ありがとうございます！まさに私の理想で読みながらニヤニヤしてました笑。あと所々実際の出来事も挟んでてリアルでいいな〜と思いました！すごく良かったです！！ (2022年3月25日 20時) (レス) @page22 id: 0f15ee3274 (このIDを非表示/違反報告)
Kai(プロフ) - エミーノさん» エミーノさん、コメントありがとうございます！お姫様なにのちゃんも、お兄ちゃんしてるニノちゃんも結局はどっちも好きですよね(笑)またキャンプ編は書こうかなと思っているので楽しみに待っていただけると嬉しいです！♪ (2021年8月15日 10時) (レス) id: 0d8f9465a1 (このIDを非表示/違反報告)
エミーノ(プロフ) - 新作ありがとうございます！めちゃくちゃかわいいにのちゃんですね。ほんとならお姫様なのに、あんなに頑張って動いてる某チャンネル。かわいくて健気で癒されます。でもたまにメンバーだったら、こんなににのちゃん動かないよな〜と見てたので、お話嬉しかったです！ (2021年8月15日 9時) (レス) id: 0d7547df4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kai | 作成日時：2021年8月14日 18時
