弐頁 ページ3
『地獄……』
想像していた地獄は血みどろで、汚くて、赤い鬼がたくさんいる、そんな場所だった。
だけど今現在、確かに赤い世界が広がってはいるが見た目が人間と大きく異なっている訳ではない。肌の色が赤色でも青色でもなく、並外れて異形な訳ではない。
ただ夢かと思ってもリアルで死んだ感触が残っているのだから無意識のうちに首を指でなぞった。
「最近はそういう死因の奴が多くて困んねん、命粗末にせんといてや。ホンマ、こっちの気持ち考えろや」
鬼は長い親指の爪を空気中にピッと横線を引くと私の頬に浅い痛み走るとツーと血が流れて本格的に現実のようだ。
服で無造作に拭くと白かった服はみるみるうちに血を染み込んでいって再度鬼に視線を戻すとまだイラついているようでコツコツとペンを紙に小突いているばかり。
「なんで素直に死んだん」
『…言われた、から？』
「言われてすぐ死ねるもんでもないやろ」
その名簿には何が載っているのか。私の素性をペラペラと喋って私のこれからについて思案しているようにも見えた。
暫くの沈黙の間。腰かけていた彼はギジリ、と鈍い音を立てて椅子から立ち上がると高い段差から軽々と飛び降りて近くの鬼に声をかけて、また別の鬼は椅子に着く。
彼はガシガシと頭を掻いて私のすぐ側まで来た。
「代わってもらった、さっさと終わらせるで」
『何を、ですか？』
「お前に何があったんか、客観的に見聞きし判断してお前の今後を決める」
適当に着替えとけ、と衣類を投げつけられた。
咄嗟のことに衣類をばら撒くがすぐに拾い上げてその場で着替えようと自分の服に手をかけると鬼は血よりも鮮やかな赤を見開いてドタバタと慌てながら全力で阻止してくる。
「あっ、あほ！この場で着替える馬鹿がおるかァ！」
『え、じゃあどこで…』
「向こうに部屋あるから！！」
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青年A(プロフ) - リディーさん» 荒ぶらせることが出来て大満足です！ありがとうございます、作者だけでなくリディーさんもお体にお気をつけて。 (2021年3月9日 18時) (
レス) id: 83ce93a423 (このIDを非表示/違反報告)
リディー - つっら…尊…すっき…語彙力ぶっ飛ぶくらいには好き…心臓が痛いです。これからも応援してます。体にお気を付けて。 (2021年3月9日 16時) (レス) id: 5744dc7a34 (このIDを非表示/違反報告)
青年A(プロフ) - あずきもち。さん» お読み下さりありがとうございます！コメントを頂いた作者の目もｱﾗﾙｶｧｲです (2021年3月8日 16時) (レス) id: 83ce93a423 (このIDを非表示/違反報告)
あずきもち。 - このお話めっちゃ深いですね…。なんか深すぎて目からｱﾗﾙｶｧｲでした。(え) (2021年3月8日 0時) (レス) id: bd8875cae3 (このIDを非表示/違反報告)
青年A(プロフ) - しのみや＠元シャノさん» お久しぶりです、シャノさん！シャノさんが望むのであればヒモになり財布になり…(( ありがとうございます！短編の予定なのですぐに終わりますが…！ (2021年2月23日 20時) (レス) id: 071d1f2325 (このIDを非表示/違反報告)
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