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「監督生くん?」

購買部に向かっていると、前方からラギー先輩が声をかけてきた。レオナ先輩にパシられたのだろうか、片手に袋を持っている。

「まだ帰ってなかったんスか?あんま体冷やしちゃダメっスよ」

ラギー先輩が近づいてきてそう言う。優しい声に涙が溢れてきた。脈絡なく泣き出した私にギョッとして、俺なんかしたっスか!?とオロオロと手を彷徨わせる先輩。

「と、とりあえずオンボロ寮に……」

「いやだ!!!!」

寮にまだあの人たちがいるかもしれない。そう考えたら無意識に大きな声が出た。

「あ………ごめんなさい……」

「ほんと、どうしちゃったんスか?」

ラギー先輩に迷惑をかけている。

その罪悪感に、涙の粒が大きくなった。

「監督生くん、いい子だから泣かないで〜」

少し屈んで目線を合わせ、頭を撫でてくれる先輩。

「ラ"キ"ーせ"ん"ぱ"い"〜〜〜」

耐えきれずにしがみつく。私とさほど変わらない体格なのに、安心感は半端じゃなかった。

「魚臭い…オクタヴィネルの奴らとなんかあったんスね」

こくこくと頷くことしか出来ない私とは反対に、ラギー先輩はテキパキと誰かに電話し始めた。

「あ、ジャックくん?今から購買部に来れるっスか?あと監督生くんが羽織れるものも持ってきてほしいっス」

電話中も、ずっと頭を撫でて落ち着かせてくれる。出会ったのがラギー先輩で良かったと心から思った。

「もうすぐジャックくんが来るから、先に2人でサバナクローに帰っててください」

「ラギー先輩は…?」

「君が何日かうちで暮らせるようにもの揃えて来るっス」

「それくらい自分で…」

「この状態の君に何ができるんスか」

言われて気づいた。震えて、ラギー先輩にしがみついてないと立つことすら危うい自分。なんて無力なんだ。

「じゃあせめてお金だけでも…」

「いいんスよ。レオナさんの財布から出すんで」

シシッといたずらっ子のように笑って黒い財布を見せる。

レオナ先輩のならいっか…

そんなことを考える余裕が出てきた頃、ジャックが迎えに来てくれた。

「ジャ…ぉわっ」

事情を話す間もなくブランケットにくるまれてひょいっと横抱きにされた。

「体冷やすなって言っただろ」

少し不機嫌そうにそう言われたけど、心配してくれているのは伝わったから「ありがとう」と言って身を預けた。

「じゃ、任せたっス」

レオナ先輩のおつかいの品をジャックに預け、ラギー先輩は行ってしまった。

あとでちゃんとお礼言わなきゃな。

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雪女 - 続きが気になります (2020年11月10日 22時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
せいめい(プロフ) - 汀さん» コメントありがとうございます!束縛の仕方が分からなくて悩んでますが汀さんの好みに刺さるよう頑張ります! (2020年6月26日 23時) (レス) id: 5f40669483 (このIDを非表示/違反報告)
せいめい(プロフ) - いずみさん» コメントありがとうございます!お待たせするとは思いますが今後も読んでやってください! (2020年6月26日 23時) (レス) id: 5f40669483 (このIDを非表示/違反報告)
- 束縛強めで良きでした…続きたのしみにしています(*゚▽゚*) (2020年6月19日 21時) (レス) id: ae74ce0628 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - 続きすごく気になります! (2020年6月9日 15時) (レス) id: 8b6245ca40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せいめい | 作成日時:2020年6月5日 22時

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