52話 ページ3
豹馬side
「千切、なんか今日元気なくね?」
「・・・別に」
「一ノ瀬さんとなんかあった?」
「・・・あっても潔には言いたくねぇ」
「なんだよそれ、たしかに俺そういうの疎いし、・・・あ、なあ國神!」
「?どうした」
「千切の恋バナ聞いてやってよ、元気ないからさ。俺はちょっと監督と話すことあるから行くわ」
じゃ、と言って立ち去る潔。
「なんだよ、千切好きな人いんのかよ」
「ったくアイツ、余計なお世話だっつーの」
「いいじゃん、俺姉ちゃんと妹いるし、少しは乙女心分かるとは思う」
「・・・確かに、國神になら話せるわ。」
「おうよ」
そして、先週の公園事件の話と今日のゼミの話をした。
「・・・なんかわりとドロドロしてたな」
「・・・・・・俺、元カノとかいないし、あんまAの気持ち分かってあげらんないっつーか」
「千切はだいぶその子のこと好きなんだな」
「・・・否定しねーよ」
「その子はお前のことちゃんと好きだと思う」
「は?話聞いてたか?俺壁作られたんだぞ?」
「そりゃあ、あれだろ・・・申し訳なく感じたとか。」
「何に?・・・・・・てか、國神にあたってんのもおかしいよな、ごめん」
「あ、いや別に・・・その子、前の男に会ったときに動揺してたんだろ?」
「ああ」
「気持ちがお前にあんのに、お前の前で動揺したことを重く受け止めてるってとこじゃね?」
「・・・別にそんな必要ないのに。てか俺はその元彼の存在を知った上で受け止められんのに」
「その子にはその場で重く受け止めなきゃなんねぇなにかがあったんだと思うけど。」
「・・・分かんねぇよ」
どうしたらいいか分からないのが本音だ。
俺にできることはしてきたつもりだし、Aも俺に向き合ってくれていたのは感じた。
なんなら、もう付き合うとさえ思っていた。そのくらい順調だと思ってたのに。
あいつに会ってからだ。Aの様子がおかしくなって、俺との間に壁を作った。
俺じゃ元彼を越えられないのかもしれない。
俺的にはもうとっくに越えたつもりでいたけど、決めるのは俺じゃない。Aだ。
「で、千切はその子とどうすんの?」
「・・・なんともいえない。・・・けど俺は好き」
「おう、なら頑張れ」
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睦月 - 初めまして!小説拝見させていただきました。続きがめっちゃ気になります!更新楽しみにしてますね。 (5月7日 13時) (レス) id: 2c47c809cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しい | 作成日時:2023年3月7日 23時