君のとなり１ ページ1
君のとなりを。
まさか他のヤツに譲ることになるなんて思わなかったな。
何年も焦がれたアイツならまだしも―――
まだ、ファンの一人と思ってるだろうAヌナ。
俺にはもうとっくに“特別な女(ヒト)”。
イベントに何度か足を運んでくれただけ
然れどそれだけでヌナの大きくて丸い、澄みきった綺麗な目に 吸い込まれるように心を奪われるには充分だった。
気付けば 甘く淡かった思いは愛に変わり 二年もの間離れていくことに、不安や寂しさよりも動悸でももよおす程の怖さを感じていた。
ヌナが俺を好きでいてくれる気持ちは疑いようもなかったけど 何せ、ライバルが多すぎて。
二年後戻った時。
同じ気持ちでいてくれるのかっていう疑問の答えはどうしてもネガティブな結果しか招かなかった。
兵役も一年余を何とかやり過ごした頃。
やっと訪れた数少ない休暇。
コーヒーショップへ向かっていたら 不意に停まった見慣れた車。
「よ。誰かと思えば。今日休暇なんだ？」
相変わらずの掠れ気味の声と共に犬歯を覗かせたのはホンギ。
“乗れよ”とばかりに指を向けて
「ちょっとさ、話さね？」
と 笑いながらも真剣な眼差しを向けた。
促されるまま乗り込むと
「Aのこと―――」
って、喉を詰まらせながら絞り出すように話し出したホンギ。
「オレは、もうダメだ、それはもう諦めつけたから
そんでもオレには、大事なオンナなんだよ。それだけは許してくんない？」
なんて、コトを言うんだろうかと思った。
思わず出たのは すっとんきょうでマヌケな「は？」っていう一言で。
「ははっ・・・そうだよな。
当然の反応。いくら寛大なお前でもそんなワケにいかねえよな」
そう、自嘲気味に光をなくした目で。
焦点の合わない目で言ったホンギの目から大粒の涙がパタリと音を立てて落ちた。
え、っていうか。
勿論俺にはそんなことをどうこう言える資格や理由もなくて(言えたらいいけど)
「何言ってんだよ」って苦笑いを返したら。
「気持ち、ガッツリお前のモン・・・
てか、魂がお前の隣に居る―――
お前が側に居ないAはヌケガラみたいで。
そりゃさ、オレ達や後輩バンドのライブに来ては応援もしてくれるし楽しんでくれるけど。
Aの芯にはどっしりお前が居んだよ。。。
だから。自信持ってろよ。
Aはさ。純だし一途だよ。
一度好きになったら 二年居ねぇ位のことで揺るぎゃしねぇからっっ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
惺華(プロフ) - まるさん» 申し訳ないです。違反、のつもりはなくただ単にチェック漏れだったのですが不快に思われたようで重ね重ね申し訳ありません。今後気を付けさせていただきます (2018年12月4日 7時) (
レス) id: 6baaeab35f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。外し忘れ、とかいう軽い意識はおやめ下さい。作品を消される事になる行為です。オリジナルの新着に二次創作が上がってくる事を不快に感じる人もいます (2018年12月4日 7時) (レス) id: 37f06ab587 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：惺華 | 作成日時：2018年12月4日 6時
