【文豪ストレイドッグス】suddenly kiss【短編集】

マーク・トウェイン ページ39

矢張り船の上は心地が良い。

甲板上の吹き抜けていく風は、遠い故郷まで行くのだろうか。

……なんて。

「こんなこと考えるのはポーの役目だよねー」

言った後に本人が居ないか見回すが、幸運なことに、彼は船内にいるようだった。

……お。

首を回した先、視界に入ったのは、戦闘服姿のAである。

監視の任だろうか、一段高い場所であぐらをかいている彼女は、しかし、迫る眠気に堪えきれず、舟を漕いでいる。

……起こしてあげよう！

ここでいう「起こす」とは、つまり驚かすことで、

「近くで叫ぼう」

真顔で頷いて、足音を忍ばせつつAに近づく。

無事にAの後ろに座り込むものの、さらに悪戯心が肥大する。

「Aー」

団長の声を真似ながら身体を寄せていく。

此方の胸が彼女の背につき、顎が肩に乗せられ───尚も起きない。

「むかつくー」

小声で悪態をついて、さらに顔を近くする。

普段は耳元で囁くとくすぐったさから身を捩るものの、今はそれもない。

……強制的に起こさせよう。

大きく息を吸い、

「朝だよーーーーー！！！！！」

瞬間、Aの身体が大きく跳ね、すごい形相で此方に振り向いてきた。

その勢いで思わず二人の唇が重なりあう。





「目覚めキッスはどう？ドキドキしたでしょ」

「起きたばっかだけどーベッド行ってもいいよね？」

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トウェイン「評価頼むからね！……やった今回は言えた！」

エドガー・アラン・ポー ───ヤンデレ→←江戸川 乱歩

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