芥川 龍之介 ページ3
今日は月が綺麗だ。
こんなこと、死体を後ろにして思うことじゃないんだろうが。
「芥川さん!戻りましょう!」
僕の名前を呼ぶ声。
ポートマフィア構成員に似合わない、高い可愛い声。
本来ならこんなとこにいるべきじゃない。
「…………大きな声を出すな、A」
どう扱っていいかよくわからずに、つっけんどんに返してしまう。
「あ。芥川さん、外套に血が」
たたっ、と駆け寄って僕の黒外套の裾を掴む。
だが、反射的に手をはねのけてしまった。
「あっ…………」
「…………勝手に触るな」
はねのけた手はやはり小さくて。
はい、という返事の声も小さかった。
…………あぁ、くそ。
自分が不器用なのは理解している。
ただ、その不器用でAを壊したくない。
そう思えば思うほどに、Aとの距離は離れていっている気がする。
「あ、あの」
遠慮がちな呼びかけに、無言で振り返る。
「今日の任務、お疲れ様でした!…………芥川さんと長くいる樋口さんに比べて、私なんて足手まといだったと思うんですけど」
「そんなことない」
えっ、という驚きの声を塞ぐようにAを抱き寄せる。
「えっえっ…………!?」
「…………そんなに驚くと悲しい」
コツンと頭をぶつける。
「僕は、Aの笑顔と明るい声が好きなのだから」
「…………わたっ、私なんて…………っん!?」
僕は言葉が欲しいわけじゃない。
厚い、柔らかい唇から、Aの気持ちを窺う。
はたして、Aは優しく僕のキスに応えてくれた。
しばらくお互いをキスで探りあう。
「…………んっ、ふ」
キスか終わっても、つぅ、と銀の糸が2人を繋いだ。
「僕の気持ちとAの気持ちが同じでよかった」
「もっと深い気持ちも知りたい」
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芥川「評価に比例した深い深いキスをしよう」
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青鯖ぷりん - 久ちゃぁぁん…高評価するぅぅ‥! (10月17日 21時) (レス) @page11 id: 496914e067 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - だざいさぁぁんさいこぉ! (10月8日 6時) (レス) @page5 id: dfae0f9c2a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかりん - フランシスさんすこ (9月15日 22時) (レス) @page23 id: 5c0b36b6f1 (このIDを非表示/違反報告)
猫助 - 最高です! (8月16日 23時) (レス) @page4 id: 0088b760fa (このIDを非表示/違反報告)
千羽鶴 - 梶井さーん!ドSなとこも好き!違うバージョン梶井さんも見たい (6月18日 23時) (レス) @page15 id: ecb3ef0346 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久田 螺々亜 | 作成日時:2016年4月8日 21時