【刀剣乱舞】どうやら私は記憶喪失のようです (ページ32)

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32 side山姥切国広ページ32

「よお大将」

薬研が石切丸と共に部屋に入ってきた

「これは酷い、結構昔の呪いだね…
どこまでできるか分からないけどお祓いをしておこうか」

石切丸は懐から加持祈祷セットとやらをとりだし、儀式？を始めた

その間に少し傷だらけの本科が長谷部や鶴丸達と戻ってきた

「全く、よくも俺の顔に傷を…」

「長義くん、なかなかカッコイイよ！」

燭台切も長義と同じくらいの傷を負っている
何があったのだろうか

「山姥切！無事でよかった…」

とりあえず、お互いに無事だったことを喜ぼう

「ああ、国広か
安心しろ、政府の人間は警察と真の政府の人間に抑えられた」

抱いているこんのすけの頭を撫でながら、先程あった出来事を教えてくれた

だからか、俺が誰とも遭遇せずにここまでたどり着けたのは

＿＿＿＿

「…出来ることはやったけれども、どうかな主」

石切丸のお祓いが終わったらしい
皆の視線が主に集まる

『＿＿＿＿あ、』

こ、こえが…出た…っ！！

俺は思わず主に駆け寄り、抱きしめた
今は皆の視線など気にならない

「あんたを守る刀のはずなのに、守れなかった…
辛い思いをさせてすまない…っ！！」

『…国広、私こそ、酷いこと言って、ごめんね』

主は俺の背中に腕を回し、抱き締め返してくれた

その暖かさと優しさが、何というのだろうな
さらに俺の心を締め付けた、と言った方が正しいな

「続きは帰ってからにしないか？
ここは敵陣だぞ？」

笑ってはいるものの、鶴丸は警戒を怠らずにそう進言した

たしかに、俺としたことが少し感情的になりすぎたな

「主、一度本丸に戻り、何があったか話してくれるか？」

『…うん、もちろん』

小さく頷いた主を見て、俺はみんなとともに本丸へ帰ろうとした

だが…
なぜかあの女が、この場に来た

そう、主がこの事態に陥った原因

元見習いの審神者

「お久しぶりーってワケでもないけど
元気だった？」

悪魔が笑うかのように、口角を持ち上げた

今思えば、なぜ見習いの時期にこの禍々しい霊力に気づかなかったのだろう

もし気づいていれば、主が記憶を失わなくて良かったのかもしれない

もしを考えればキリがないが、この女を見るとそんな後悔やお狩りがこみ上げてける