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でも、ごめんね
私全然動けないんだ
面白いくらいにね、指1本すら動かせない
「それは霊力を吸い取る陣だ
霊力が多く、澄んだ人ほど絡みつくんです」
この人の表情を見ると、最初から私たちを帰す気は無かったらしい
もう少し対策を練ってくるべきだった
こうなれば最後の手段
私は三人に向け本丸へ帰還できるように時空転移の術式をかけた
三人の周りが光り始める
「あるじさま！？
なにをしてるんですっ！！」
「やめろ主！！
あんただけ置いていきたくない！！」
「主さん今すぐこの術を解除して！！」
3人が泣きそうな顔をして、悲痛な叫び声をあげている
『みんな…無事で…！』
笑顔でそうつぶやくと、３人は光となって消えた
うまく本丸に帰っていればいいけど
「Aさんって馬鹿ですか？
なぜ刀剣男士を逃がし、自分が残ったのです？」
あの嘲笑うかのような口調が本当に私は嫌いだ
『大切な人たちを守りたい、それの何がいけないのですか
あぁ、分かりました
貴方は人に愛されたことがないのですね？』
“他人に愛されなことがない”
それは私だって同じ
でも私にはみんながいる
刀剣男士は私の大切な仲間であり家族
守りたいって思うのは当然だと思っている
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れっ！！」
こわ、
萌生さんは狂ったように同じ言葉をを繰り返す
このひとも過去に何かを抱えているのかもしれない
でも私は全ての人に優しくなんて、どこかの宗教のような考えはない
動かない私の体に、まだ残っている時間遡行軍
私はこの窮地を抜けれるのかな
「あなたは過去の行いをまだ反省していないようですね
記憶を消すだけという罰は甘かったようです」
ゆらゆらと不気味に近づいてくるこの人は一体何を言っているんだろう
「政府のことを知りすぎたというから記憶を消すだけで留めておきました
しかしその性格が変わらぬようだと性格の改変も必要みたいですね」
その笑顔を一言で言うなら、狂気
『萌生さん、貴方は何に怯えてるんですか？』
私の声は虚しく消え、新しい時間遡行軍が部屋に入ってきた
そして私を担ぎあげ、別の部屋へ移動させられた
そこからの記憶は無い＿＿＿＿
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2019年1月20日 23時
