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入口らしき門から中へ入ると、多くの黒い服を着た人たちがせわしなく歩いていた
「こちらです主さま！」
こんのすけが先陣を切って歩き出した
迷わずにまっすぐ歩くこんのすけがとても頼もしく見えた
「お待ちしてました！
貴方がAさんですね？
私が担当の萌生と申します〜」
モブさん…なんか、馴れ馴れしいな
それともフレンドリーなのか
「はい、A様であらせられます
くれぐれもご無礼のないように！」
こんのすけ、あなたは一体私をなんだと思っているの？
「分かっておりますよ、こんのすけ
A様は審神者歴代2位の戦績を残されておりますからね」
はい？そんなの聞いたことないし、記録にもなかったのだけれども？
「その刀剣たちとの連携はまるで阿吽の呼吸のようで、素晴らしいものだと！」
まるで歌うように私の戦績をベラベラと喋る
「ゴホン！！
それでは個室へお願いします」
盛大な咳払いでこんのすけが話を終わらせた
申し訳なさそうな顔をして、萌生さんは私たちを奥の部屋へと案内してくれた
警戒しているのはもちろんだけど、後ろの3振りの殺気が怖い
特に今剣なんてすれ違う人をみんな切る勢いで睨みつけている
「ささ！こちらへお座り下さい！」
五畳くらいの和室に通され、私達は座った
もちろんこんのすけは私の膝の上にね
「さて、本日は何用ですか？」
「主さまの記憶、なぜ政府の者に奪われなければならなかったのか
当事者の一人であるあなたからご説明を」
こんのすけが仕切ってくれてるから今日は本当に助かる
でも、こんのすけの問に対して萌生さんは応えようとせず、むしろ笑った
「まずあなたが歴史修正主義者であると疑いをかけられる方が悪いのでは？」
嘲笑うかのように言った萌生さんの喉には今剣と太鼓鐘が本体を押し付けていた
今すぐ首をはねられてもおかしくない
『今剣、太鼓鐘、刀を下ろしなさい』
この場に来てようやく私が言葉を発した
萌生さんはその様子を楽しそうに観察している
『萌生さん、あなたは一つ勘違いをしています
私がやる気になれば政府一つは潰せますし、ことを穏便に勧めたいからこの3振りを連れてきました
もし私の近侍である2人の山姥切を連れてきていたら…
あなたは今頃この世にいませんよ？』
最大の睨みを聞かせ、低いトーンで呟いた
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2019年1月20日 23時
