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『何て顔してんの、綺麗な顔が台無しだよ？』
私の隣に座った長義をからかうように笑った
今回のことは本当に自業自得ってやつだから、そんな顔して欲しくない
そんな私の想いが通じてないらしく、下を向いて畳を濡らしている
「…すまなかった」
今にも消えそうな声でそう言った
やっぱり責任を感じちゃったんだ
「本当は、気づいていたんだ…
君の様子が、いつもと違うって
でも、俺は、君になんて言ったらいいのか分からなかった…」
山姥切はどっちも不器用なんだね
やっぱり似たもの同士
これを言ったら怒られるかもしれないね
最初の頃に私は長義が苦手だと思っていたけど、今はそんなことない
むしろ、この素直じゃない子が可愛くて仕方ない
『私が、弱かったんだ…
不安にさせちゃってごめんね？』
「なぜ君が謝る！？
いつもそうだっ！
悪くもないのに謝らないでくれっ！！」
力いっぱい手を握りしめている
あなた達にとって、私がそこまで大切な存在だって分かって嬉しいと思う
『分かった、言い方を変える
心配してくれて、ありがとう』
長義は唖然と私を見つめてきた
私はそんなに驚きを与えるのが得意なのだろうか？(笑)
「…かなわないな、主には」
涙を拭い、いつものような笑顔が戻った
少し目が腫れているけど、もう大丈夫そうね
『じゃあ話がまとまったところで寝ようか！
明日からまた内番に忙しくなりそうだし』
おいでって言うと、すごい、なんか
あ”？って顔された
「はぁ！？
俺もここで寝るのか！？」
『いいじゃん！
今は同室の国広いなくて寂しいでしょ！？』
「べ！寂しいわけがないだろう！！」
なんてギャンギャン騒いで結局は私が買った
＿＿＿＿
「なぜこの俺が、主と寝ているんだ？
燭台切などに見つかれば折られる気がする」
まだいうかと思いながら、私は長義の背中にくっついた
「な！？本当に俺の刀生が終わるっ！」
『大丈夫だから、少しだけ…』
刀とはいえ、今は人の形をしている
そのおかげかとても安心して眠ることが出来た
人の温もりって、結構大切なんだね
国広と一緒に寝れたら、夜も怖くないんだろうな…
…
って、寝る時になっても国広のことを考える私は頭がどうかしてる
きっと、長義が近くにいるせいだ
そういう事にしておこう
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2019年1月20日 23時
