【刀剣乱舞】どうやら私は記憶喪失のようです (ページ16)

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『そう、だったんだ…
話してくれてありがとう、長義』

やっぱり、全然分からない
と言うよりは覚えていないの方が正しい

少しずつ本丸で過ごしてた日々は思い出してきたけど

でも、そんな大きな出来事を覚えていない

「俺達が人殺しを恐れずに、君を助けていればこのような事にはならなかった

悔やんでも悔やみきれない…！！」

隣の長義が固く拳を握りしめている

『長義、あなたと国広は正しいことをした
切ることが刀の本分だということは私も分かってる

でも、間違えたものを切ってはならない
今のあなたたちが切るべきものは人間じゃない
歴史修正主義者率いる時間遡行軍だよ』

私だって明確な答えが分かるわけじゃないけど、これだけは言える

『ありがとう、“人を切らない”と言う約束を守ってくれて』

私は立ち上がり、目が潤んでいる長義の頭を撫でた

それを見て、私はあえて明るく話した

『ほら！明日は演練だよ？
隊長がそんなんでいいの？』

長義は目頭を抑えてから悪戯しようと企んでいるような笑顔を浮かべた

「そんな事分かっている
明日は相手を切って捨てればいいのだろう？」

まぁ捨てちゃダメなんだけど
いつもの彼に戻ってくれたのなら何よりかな

「やはり、記憶がなくとも主は主だ

そろそろ休もう、明日が大変になる」

随分長く話をしていたみたい低かった三日月が真上に上がっている

『そうだね、おやすみなさい』

各々屋根を降りて部屋に戻った

初めての演練、怖くないと言ったら嘘になる

私が覚えていなくとも、相手は私のことを知っている

まだみんなには伝えていないが、私の記憶は戻りつつある

でもそれは審神者になった辺の記憶だから、見習いのことは全然わからない

やっぱり分からないことがあるともやもやするものね

こんな不安な時に居ないなんて、どこをほっつき歩いてるんだか

今までの自分が国広に頼りっぱなしだったんだなって、改めて反省するいい機会のはずなんだけど

それでも、彼がいなくて寂しいのは事実

静かに布団にもぐり、明日の演練について考える

過去の私に何があったのか、どんな些細なことでも聞き出さないと

結構緊張しているのが自分でもわかる

不安とか、いろんな感情がごちゃごちゃしてる

しかし、目を閉じるとすぐに眠りにつくことが出来た