【刀剣乱舞】どうやら私は記憶喪失のようです (ページ15)

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「どうしたのかな？
こんな夜中に屋根に呼び出すだなんて」

綺麗な三日月が見える屋根の上に、私は長義を呼び出した

今起きている人はあまりいないと思う

『わたしが記憶を失う直前のことを知ってるなら教えて欲しい』

単刀直入に要件を伝える
遠まわしに言うなんて私にはできそうにないからね

「…それを知ってどうする」

『私は、私のことが知りたい
あなただって嫌でしょ？自分の事が分からないなんて』

国広とは違う蒼い瞳
でも真っ直ぐに見つめるその目は私の事を案じているようだった

ため息と共に先に視線をそらしたのは長義だった

「分かったよ、話すからそんなに見つめないでくれ」

そう言われるとどこを見ればいいのかわからなくなって私は再び三日月を見上げる

＿＿＿＿

そう、あれは弥生の出来事だった

見習いが、歴史修正主義者だということに気づいた主は、そのことを政府に報告しようと、政府あてに書面を書いていた

しかし、見習いの方がひと足早く書状を送っており、逆に主が“歴史修正主義者”と告発されてしまったんだ

もちろん、俺たち刀剣男士はそんなことはありえないと政府に抗議をした

しかし、時の政府は俺達の話なんて聞く耳を持っていなかった

主を拘束しようとやって来た政府の人間に俺達は手出しができなかった

なぜなら、主である君が人間に手を出すなと言ったからね

だが、黙って連れていかれるのを見ている事も出来なかったんだ

本来なら短刀達の方が向いているであろう尾行を俺と国広が行なった

建物の中、どこまでも気付かれずに張り込みできたと思っていたがそれは傲りだった

どこかの部屋へ入った途端に俺たち2振りは拘束されてしまった…！

しかも、主の前に連れていかれた

そして時の政府は君にこう問いかけたんだ

“この2振りを折れぱ、お前に自由を与える
それを拒めば今までの財産を頂こう”

君はなんて言ったと思う？

“私の財産を貰うって？
私の財産はこの本丸のみんな
この2人も、私の大切な人なんです

…誰にも奪わせはしないっ！”

そこからは君が政府のヤツらに別の部屋に連れていかれたのを黙って見ている事しか出来なかった

次に会った時は眠っている君だったんだ

政府にのいうことを聞いた訳では無いが、君は疲れて寝ただけだと言われた

実際、直前の出来事は俺にもわからない