鶴が四十一人 ページ41
『う…ひっく…』
何故かわからないけど、涙が出てきて止まらない
そんな私を鶴丸は優しく抱きしめてくれた
「久しぶりの再開の時も、君は泣いていたな」
呆れられたのか分からないけど、ただ抱きしめてくれる鶴丸がどこかに行ってしまいそうで、怖かった
私の知らない人みたいで、ただ抱き締め返して泣くしかできなかった
「ほら、そろそろ泣き止んでくれ
じゃないと涙がもったいないだろ？」
そうだ、前にも言われたっけ
涙は笑いながら流すもんだと
『ご、ごめっ、ん』
涙は止まってきたものの、嗚咽が止まらない
何とかして抑えないと
「…って、君をそこまで追い込んだのは俺か」
自虐した言い方に驚き顔を上げると、何故かわからないけど辛そうな顔をした鶴丸がいた
「俺さ、この1週間一人で出陣してたんだ
政府の指示のもとで」
聞きたかったことを鶴丸が話し始めてくれた
あんなに聞いても答えてくれなかったのに…
でも、なんで政府が鶴丸に指示を出していたのか分からなかった
「だから、部隊から外してくれって頼んだ
そんで、朝早くに出ても、1人だから夜遅くまでかかっちまった
怖い思いさせちまったな」
苦笑いしながらそういう鶴丸の顔は、確かに、傷がついていて、心做しか痩せてるように見えた
『く、国永、が、１週間も、いないから、すごく寂し、かったし
すごく、怖かった』
抱きしめていた身体を離し、鶴丸は嬉しそうに笑ってくれた
ちゃんと笑ってくれたことで、私も安心できた
『ごめんね、今手入れするから』
私はそう言って懐から札を取り出し、鶴丸から本体を預かりその傷がある所に貼った
少し落ち着いてきたところで、私は疑問に思ったことを鶴丸に聞いた
『政府の指示で出陣ってどういう事』
「あー、君に話すのはま…
っ！？いででででっ！！
わかった！わかったからっ！！」
また教えてくれないのかという意味を込めて、鶴丸の足を全力で抓った
“乱暴だなぁ”って呟きが聞こえたけど、それは知らないふりをしよう
「君が1回、政府管轄の病院に入院したろ？
その時にあの女性と話をしたんだ
“Aの助けになりたくないか？”って
俺1人で遡行軍を倒していった方が君の負担が減ると」
鶴丸の話を聞いて、私は怒りと悲しみがこみ上げてきた
あの人が言っていた政府を信用するなってそういう意味なのね
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 304人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夷空斗(プロフ) - まつさん» 本当ですか！？私はよく口調が迷子になります…お互いに頑張りましょう！ (2018年9月2日 0時) (
レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
まつ(プロフ) - 夷空斗さん» 全然大丈夫ですよ！私も刀剣乱舞の小説書いてるけど全然駄目ですからw (2018年9月2日 0時) (レス) id: aa6f182c0d (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - まつさん» コメントありがとうございます！上手く鶴丸を表現できてるかいつもドキドキしながら更新させてもらってます（笑）応援ありがとうございます！頑張りますっ！ (2018年9月2日 0時) (レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
まつ(プロフ) - ところどころ感じる鶴丸の愛に和ませて頂いています！高評価をしたいのに一回しかできないのが悔しい限りです！これからも頑張ってください！応援してます！ (2018年9月1日 22時) (レス) id: aa6f182c0d (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 紗衣さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張ります！ (2018年8月27日 23時) (レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夷空斗 | 作成日時：2018年8月22日 16時
