審神者始めました (ページ27)

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その27 ページ27

『…は？』

思ったよりも低い声が出た

こんのすけが少しびびってる

『じゃあ出陣も、遠征も演練もしてないってこと？』

「はい…その他、内番もおろそかになって、畑もダメです。手合わせすら禁止です…！」

ぞくにいうブラック本丸ってやつですか

ふざけた真似してくれるわね

対策を練らないと

そう考えていると急にドアが開いた

「そろそろ時間です、お戻りを」

『！？こんのすけ！とりあえず私もなんとかしてみる、刀剣が折られないように注意して！』

「は、はいっ！」

こんのすけが部屋を出された

正確に言うとつまみ出された

『待って』

二人来た役人のうち、一人を呼び止めた

今日は久々によく喋るな〜

『今、私の本丸で何が起きてるの？
私に走る権利があるはず』

溜息をつきながら、役人は振り返った

「何も無い、お前には関係ないからな」

そう無感情に言い放って、部屋を出ていった

関係ない？

私が3ヶ月あそこで暮らしてたのに？

今の審神者よりも、みんなと苦楽を共にしてきたのに

ふざけないで欲しい

この部屋から、どうにかして出て、自分で確かめに行ってやる

元ニートでも運動神経はいい方だからね

まだ塞がりきってないこのお腹の傷でどこまで行けるかわからないけど

みんなのためなら、何でもやる

それが私だ

いま、私がいる部屋はホテルの個室みたいな感じ

広さは5畳で、ユニットバスが付いてるだけ

部屋の色は真っ白

入口は1箇所のみ

窓も何も無い

強いて言うなら上に排気口がある感じ

私なら通れそうね、身長150舐めんな

それにははしごが必要だけど、この部屋にはベッドと椅子、机しかない

ベッドは動かせそうにないから、椅子と机で出るしかないか

そして、部屋の外には絶対見張りがいると思う

入口は自動ドアみたいな感じだけど、内側からPINコード入力しないとアンロックしないタイプ

ご飯を運んでくれる人が打つコードを盗み見るしかない

あと、監視カメラを利用して、私が衰弱してるふりをすれば、連れ出してくれるかも

私が大人しくしてると思うなよ

目にもの見せてくれる