審神者始めました (ページ17)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:3,734 hit

その17 ページ17

岩融と今剣を相手に、私の体は少しずつボロボロになってきた

「主ー！！縛ったよ！！」

遠くで安定の声が聞こえた

そっちの方を向くと、縄で体と手を縛られてるお姉ちゃんがいた

光忠の方を見ると、ケリがついたらしく石切丸を捕縛していた

山姥切の方もかたがついたみたい、でも、この不安感はなに？

「もらったぁ！！」

＿＿＿＿キィィィン

『キャァァッ！』

岩融に、私の薙刀が弾き飛ばされた

そして、今剣が私の脇腹に短刀を容赦なく突き刺した

『カハッ…』

私はその場に倒れ込んでしまった

血がドクドクと出てくる

傷が、焼けるように痛い

「さらばだ、主の妹よ」

岩融が私にトドメを刺そうと薙刀を振り下ろした瞬間、金属がぶつかり合う音がした

「ほほぅ！まだ動けたか

山姥切殿っ！！」

山姥切…

「はぁはぁ…Aだけは、殺させない…！！」

私の前に誰かが立っているのはわかる

「むだですよ！」

「ぐぁっ！
血で汚れているくらいで丁度いい！」

やばい、山姥切の生命力がほとんど感じられない

戦線離脱しなきゃいけないんじゃないの

『山姥切…、逃げて…！』

私、自分の刀達を折りたくないの

お願いだから、みんなを連れて本丸に帰って

「俺は、Aを失いたくないだけだっ！！

俺を写と侮ったこと、後悔させてやる！！」

私がここに倒れている限り、山姥切は闘い続ける

移動、しないと

目の前に何故か、今剣が立っている

「さようならですね、いもうとさん」

今剣がそう言って、短刀を振りかぶった瞬間

今剣のお腹から刀が突き抜けてきた

「があっ、な、に…？」

山姥切が自分の刀を今剣に向けて投げてくれた

「今剣っ！大丈夫か！？
貴様ぁっ！！」

逆恨みってやつ？

今剣に駆け寄った岩融がようやく立ち上がった私を切りつけようとした

もう、本当に終わった

そう思って目を瞑った

？

想像していた痛みが来ない

恐る恐る目を開けると、山姥切の後ろ姿が見えた

「ああ、嫌だな…
消えた後も俺は比較され続けるのか…」

一瞬だけ振り返った

いや、いやだ…！！

待ってよっ！！

『山姥切っ！！！！』