58本目 ページ8
「ちっ」
短い舌打ちが聞こえた方をむくと、伽羅が部屋から出ていった
「おい！待てよ伽羅っ！！」
貞は不機嫌な伽羅を追いかけて走っていった
「…光坊、か
悪いな」
目を覚ました鶴丸は酷く衰弱している
声にも覇気はなく、上手く体を動かせない感じ
「鶴さん、もうやめよう！
やっぱりこんなのおかしいよっ！」
光忠の目からは涙が溢れた
何が彼らをこんなに悲しませるの、苦しめてるの
やめようって何、変なことを強要されてるの？
『鶴丸、今どこから来たの』
私とこんのすけの存在を認識してなかったらしく、すごく驚かれた
「！？
その声は、Aか？」
「鶴丸さんーっ！！」
私の代わりにこんのすけが布団に横になっている鶴丸の上に飛び乗った
「ぐふぉ…久しぶりだな、こんのすけ…」
弱々しく笑う鶴丸を見てるとひどく心が痛んだ
学校に入り込んできて私の授業態度を見て笑っていた、あの鶴丸はどこへ行ってしまったのって感じ
『もう一度聞く
どこから来たの？何をされていたの』
私は怒り寸前
というか既にキレかけている
そんな私を察してか分からないけど、鶴丸は笑った
「せっかくの美人が台無しだぜ？」
『話をそらさないでっ！！』
私の目からも涙が溢れた
この状況に私だけが置いてけぼりなのが悲しい
今の審神者の方が実力が上だと思う、それも悔しい
何より私の大切な人達が苦しんでいるのに何も出来ない自分に腹が立つ
こんのすけを抱き上げて、鶴丸は布団から起きあがった
そして私の頭に手を乗せ、優しく撫でてくれた
「お前が来てくれたってことは、俺たちに希望が来たってことだ
とても嬉しい
だが、今の本丸は本当に危険なんだ
出来れば前の主が大切にしていた家族を守りたい」
“守りたい”その言葉はずるい
私だってみんなを守りたい、いつまででも守られてばかりは嫌なんだ
「そうだ、A
山姥切の所へ行ったか？」
『行ってない…』
なぜ今国広が出てきたのか分からないけど、私の返事を聞いて鶴丸は困った顔をした
「そうか、なるべく早めに行ってやってくれ
修行から帰って直ぐにお前の所に行ったらしいが居なくて、嫌われたとしょげてたぞ？」
なんだその後半に連れてにやけていく顔は
少し腹立つぞおい
私は鶴丸の言葉に頷き、手入れを済ませてから伊達の部屋を後にした
呪いの足枷、調べないとね
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夷空斗(プロフ) - リディア94さん» コメントありがとうございます！更新頑張りたいと思います！ (2019年4月10日 13時) (
レス) id: f72fb144b6 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - ものすごく泣けました。どうかみんなが幸せになれますように…！続きとても気になります！更新待ってます！！ (2019年4月10日 2時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
凛華 - 分かりました。楽しみにお待ちしてます。更新頑張って下さい (2019年4月4日 7時) (レス) id: 4a53d6b9ac (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 凛華さん» リクエストを受けるのが初めてなので未定です。 (2019年4月4日 1時) (レス) id: f72fb144b6 (このIDを非表示/違反報告)
凛華 - いつ頃に出来る予定ですか？ (2019年4月3日 15時) (レス) id: e22aed4daf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2019年3月31日 23時
