98本目 ページ48
『さて、そろそろあの審神者様のところに行きますかね』
そう言って立ち上がると、こんのすけが食いついてきた
「まだ山姥切さん戻ってきてませんよっ！？」
『そうは言ってられないでしょ
あの審神者も待つのに飽きてきたかもしれないし…』
審神者が部屋から出てきた気がしてしょうがない
本丸の空気がとても重苦しい
『三日月、こんのすけ
他のみんなをお願いね
誰一人、折らせないし欠けさせない』
不服な顔をしながらも頷いてくれた
皆の顔を見るのが最期なんじゃないかって思う
最期にしたくないな…
私は前言した通り、1人で審神者の部屋に向かう
色々なことがあったな
5歳の時に初めて国広に会った
その時はまだ知らなかったけど、歴史修正主義者になりかけた18歳の私を止めに来てくれてた国広だったんだね…
そして、学校に通うようになってからは毎日一緒にいたっけ
私が幽霊とか、心霊現象に首を突っ込むと必ず止めに入ってくれてたっけ
それだ、私が悪霊を祓おうおした時に勘違いした国広の霊力が暴走しかけて…
あとは国広が本当に祟り神に堕ちちゃって
完全に堕ちてないからよかったけど
おじいちゃんに会えたと思ったらすぐお別れしたり
なんで今こんなこと思い出してるんだろう
走馬灯ってやつなのかねぇ
まだ、死にたくないし、死ぬつもりもない
審神者の部屋に近づく度に足が重くなる
額からは変な汗が流れてきたし、なんか鳥肌が立つ
襖の正面にたち、深呼吸をする
また、あんな呪いを喰らったら生きていれるか分からない
震える手を押さえつけて襖に向かい声をかける
『鈴音さん、お話があります
ここを開けてください』
、
、、
反応がない
『…開けますよ』
私は部屋の主の返事を待たずに声をかけ、ゆっくりと襖を開けた
一回目の時と同様、部屋の中は真っ暗
…おかしい
人の気配を感じない
部屋の中に入り辺りを見渡すけど何も見えない
『お話があって来ました！出てきて下さい！』
そう叫ぶと、後ろの襖が急に閉まった
驚いて振り向くと、鼻が触れる位置に審神者…いや、鈴音さんがいた
「念の為に聞いてあげます
誰を折るか決めた？」
感情がない、無機質な声
怖いけど私の答えは決まってる
『刀は折りませんし折らせません』
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夷空斗(プロフ) - リディア94さん» コメントありがとうございます！更新頑張りたいと思います！ (2019年4月10日 13時) (
レス) id: f72fb144b6 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - ものすごく泣けました。どうかみんなが幸せになれますように…！続きとても気になります！更新待ってます！！ (2019年4月10日 2時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
凛華 - 分かりました。楽しみにお待ちしてます。更新頑張って下さい (2019年4月4日 7時) (レス) id: 4a53d6b9ac (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 凛華さん» リクエストを受けるのが初めてなので未定です。 (2019年4月4日 1時) (レス) id: f72fb144b6 (このIDを非表示/違反報告)
凛華 - いつ頃に出来る予定ですか？ (2019年4月3日 15時) (レス) id: e22aed4daf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2019年3月31日 23時
