86本目（山姥切国広） ページ36
「大将っ！？おいっ！！大将っ！！
なんだ、気を失っただけか…」
急にAの体から力が抜けたからかなり驚いた
「薬研！歌仙さんからさらしいっぱいもらってきたよ！」
「桶に水組んできたぜ！」
「ついでにお湯もいるだろ！？」
薬研から指示を出された短刀達が戻ってきた
迅速な対応で本当に助かる
俺ではこうはいかなかった…
「一応止血は出来たが、何が起こるかわかんねぇからとりあえずここにいてくれや」
そう言うと、薬研は先程使っていた道具を片付け始めた
「ああ、助かる」
静かに息をしているAの手を握る
とても冷たい、本当に生きているのか危うい
「山姥切、そんな顔すんなって
Aは俺達の大将だろ？大丈夫だって」
薬研に気を使わせるとは、やはり写しの俺ではAは守れないということなのか？
いや、写だろうが俺は俺だ
国広の最高傑作であり、Aの刀なんだ
「ああ、そうだな
済まない、弱気になっていた」
頑張れとでも言うように薬研は俺の肩を軽く叩き、部屋から出ていった
薬研の背中を見送り、改めて俺はAの手を握る
いつも俺を助けてくれた、護ってくれていた手はこんなに小さいものだったのか…
小さいはずだ、まだ十数年しか生きていない
俺たちを従えるには若すぎるはずなんだ
それなのにあんたは…
祟り神へと堕ちかけた俺を元に戻してくれたり、怒りに我を忘れて人を殺めそうになった時正しい道へと戻してくれたり
あんたから貰ってばかりだな
俺からは何一つ与えることが出来ていない
むしろ奪ってばかりではないか？
大切な家族を奪い、普通の生活を奪い、それだけでは飽き足らず、右目まで奪ってしまった
「なんて酷い顔してるの、兄弟」
「！？何故ここに？」
襖の前には兄弟の堀川国広と相棒の和泉守が立っていた
「主が部屋に戻っていいって言ったが、変な胸騒ぎがしてな」
「そしたら、さっき薬研さんにあって事情を聞いたんだ」
俺の失態がバレるのは早いな
下を向き、謝罪の言葉を口にしようとした時また別の刀の声がした
「謝んなくていいから
主がこうなったのはあいつのせいだからさ」
「って言っても僕達も何も出来てないけどね」
和泉守の後ろには加州と大和守が控えていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 299人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夷空斗(プロフ) - リディア94さん» コメントありがとうございます！更新頑張りたいと思います！ (2019年4月10日 13時) (
レス) id: f72fb144b6 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - ものすごく泣けました。どうかみんなが幸せになれますように…！続きとても気になります！更新待ってます！！ (2019年4月10日 2時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
凛華 - 分かりました。楽しみにお待ちしてます。更新頑張って下さい (2019年4月4日 7時) (レス) id: 4a53d6b9ac (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 凛華さん» リクエストを受けるのが初めてなので未定です。 (2019年4月4日 1時) (レス) id: f72fb144b6 (このIDを非表示/違反報告)
凛華 - いつ頃に出来る予定ですか？ (2019年4月3日 15時) (レス) id: e22aed4daf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夷空斗 | 作成日時：2019年3月31日 23時
