53本目 ページ3
門を開き入って来た女性は、とても小柄でどこかのお人形のような美しい人だった
「主、よく戻ったな」
笑っているようで笑えていない
三日月がそこまで怯えるって、この審神者何者なのだろう
「あら、宗近
勝手に人間を入れたらダメじゃない
後でお仕置きね？」
まるで鈴のなるような綺麗な声
でも、どこか人間離れしたその審神者は見てるだけで恐ろしかった
『ここの本丸に研修に来ました希純です
短い間ですが宜しくお願いします』
割り込むように指令書を審神者の前に出した
沈黙が苦しいと思ったのは久しぶり
その書面を見つめた後、大きな瞳が私を捉えた
「分かったわ、見習いと認めます
ただし、私の刀剣に手を出さない、仕事は見るだけ、内番の手伝いもよろしくね
以上を守って」
そう淡々と告げると、審神者は本丸内へと入っていった
、
『怖、何あれ』
完全に姿が見えなくなってから私はそう呟いてしまった
「あれが俺たちの今の主だ」
少し冷や汗をかいている三日月を見てやばいやつだと思った
『こりゃやばい本丸に派遣されたっぽいね…』
「そ、そうですね…」
てか、なんでこんな状態になってるのに政府はここの審神者を処分しないのだろう
普通一ヶ月に一回は報告と視察があるはず
しかも私が本丸に入った時の痛み、あれは結界っていうのはわかってる
なんで人間に反応したんだろう…
わからないことが多すぎる
とりあえず、仕事を覚えるふりをして審神者のそばにずっといるべきか
『三日月、審神者の所に連れてってくれる？
置いていかれたから場所わかんないし』
「あいわかった
それでは行こうか」
三日月と共に審神者の部屋に向かう
その途中にある部屋は全て締め切られていた
所々から鼻にツーンとくるような、なんだろさびた鉄の匂いが溢れてきている
「主よ、見習いが仕事を教わりたいと言っておる」
襖越しで声を開けると、つーっと襖が開いた
「仕事を教わりたいって？
貴方は養成学校で何を学んできたの？」
早速毒づいてきた審神者を見つめ、にこやかに答える
『他人の本丸で勝手に動いては迷惑かと思いまして
よろしいのであれば私は勝手に行動しますけど？』
襖から覗いている大きな瞳がさらに見開かれた
「教わったことを行えば良いじゃない
宗近、貴方は来なさい」
なんつー目をしてんだか
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夷空斗(プロフ) - リディア94さん» コメントありがとうございます！更新頑張りたいと思います！ (2019年4月10日 13時) (
レス) id: f72fb144b6 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - ものすごく泣けました。どうかみんなが幸せになれますように…！続きとても気になります！更新待ってます！！ (2019年4月10日 2時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
凛華 - 分かりました。楽しみにお待ちしてます。更新頑張って下さい (2019年4月4日 7時) (レス) id: 4a53d6b9ac (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 凛華さん» リクエストを受けるのが初めてなので未定です。 (2019年4月4日 1時) (レス) id: f72fb144b6 (このIDを非表示/違反報告)
凛華 - いつ頃に出来る予定ですか？ (2019年4月3日 15時) (レス) id: e22aed4daf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2019年3月31日 23時
