サンカクカンケイ【HQ!!】

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「わからない、、、わからないの！一とキスできて、嬉しいはずなのにっ、なのに、徹の顔が．．．浮かんで来るの！！」



彼女のあの言葉が、頭をずっと流れている。


驚いた。Aが、俺のことを、、あんな風に思っていたなんて。


．．．嬉しい。純粋にそう思ってしまった。


．．．嬉しい？俺が？Aが俺のことを好きなのかもしれないことに？


なんでそうなるんだよ、俺には、彼女がいるのに。


あいつに対して俺は本気じゃなかったってことかよ。


Aが、岩ちゃんに対して本気じゃないのも、俺がモブ子に対して本気じゃないかもしれないのも、同じなのか？


でも、あいつは、岩ちゃんとキスをした。


多分、ファーストキス。


俺は、したことないのに。


．．．．．．そうだ。俺は今まで付き合ってきた誰ともキスはしなかった。


どれだけねだられても、絶対に唇だけは渡さなかった。


それは、、Aと、キスしたかったから。


俺は、、、



「Aのことが、、好きだった．．．？」



じゃあなんで、なんであんなに他の女と付き合ったりしてる？


Aに対して本気なら、気づいてたに違いないのに。


いや違う。自分で自分の気持ちに蓋をしてたんだ。


心のどこかで、俺と同じようにAのことが好きな岩ちゃんに遠慮していたのかもしれない。


告白する勇気が、なかったのかもしれない。


今思い返せば、俺が付き合ったヤツって全員あっちから告ってきたやつばっかだ。


Aに対する気持ちに、正直に向き合えてなかったのは、俺の方だ。

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