Never give up【幸村精市】

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幸村「A、これあげる。」



「何この花。」




幸村「釣鐘人参(ツリガネニンジン)っていう花だよ。」




「ふーん…。」



幸村「あのさ、A。俺がこれまでにあげた花覚えてる？」




「うーん、あんまり。でも、ハナミズキとかサクラソウとかは覚えてるかな。」



幸村「…そっか。」



「ねぇ、幸村がくれた花の花言葉ってなんなの。」





幸村「…秘密。って言うかそんなに気になるなら自分で調べればいいじゃん。」




「ヤダね、めんどくさい。」




幸村「…人の気持ち、知らないで…。」



「ん？なんか言った？幸村。」



幸村「ううん、別に？」








時々、幸村の事が分かんなくなる。




なんだろう、この気持ち。




看護師「幸村君、検査行こうか。」



幸村「あ、はい。 じゃあ、行ってくるね。」




「へいへーい。」




病室に一人になって思い出す。





この病室、大嫌いだったんだよね。





でも、幸村に出会って。




ここにいると落ち着く。と思えるようになった。






幸村が来てからだ。





この病室が好きになったのは。






幸村と話すようになってから。



話すことが楽しくなった。




笑うことが多くなった。







ふと、幸村のベットの方をを見る。





幸村の机には、花の図鑑が置いてあった。

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