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『寒いね〜...。』
「そうですね...。」
お正月気分がすっかり抜けた2月。
東都は寒さに包まれている。
2月と言えば一大イベント、バレンタイン。
一緒に作ろう、と蘭ちゃんを誘ったのだ。
『蘭ちゃん、最近新一くんとどうなの?』
「新一とですか...うーん...。」
このふたりは両片思いみたいだから、なかなかアタックできなくて当然なのかも。
『まあ、このバレンタインで1歩でも近づければいいんだから、ね?』
「そうですね!」
バレンタインにあげるお菓子によって意味が違うらしい。
例えばクッキーだと、友達のままでいましょう、とか。
マシュマロだと、貴方のことが嫌い、とか。
陣平さんが意味を調べるとも思えないが、マシュマロだけはあげないようにしよう。
『陣平さん、そもそもお菓子食べるのかな...。』
スーパーへ着いて、商品を見る。
おそらくバレンタインの材料を買いに来た女子高校生や、幸せそうな顔をした女性。
華やかに飾られたバレンタインの文字。
目の前にして悩む。
『...バレンタインは気持ちなんだから。』
そう言い聞かせて、チョコを手に取った。
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作者名:hjnPRvuDEVdasep | 作成日時:2022年10月17日 22時