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59. ページ9

『寒いね〜...。』



「そうですね...。」



お正月気分がすっかり抜けた2月。



東都は寒さに包まれている。



2月と言えば一大イベント、バレンタイン。



一緒に作ろう、と蘭ちゃんを誘ったのだ。



『蘭ちゃん、最近新一くんとどうなの?』



「新一とですか...うーん...。」



このふたりは両片思いみたいだから、なかなかアタックできなくて当然なのかも。



『まあ、このバレンタインで1歩でも近づければいいんだから、ね?』



「そうですね!」



バレンタインにあげるお菓子によって意味が違うらしい。



例えばクッキーだと、友達のままでいましょう、とか。



マシュマロだと、貴方のことが嫌い、とか。



陣平さんが意味を調べるとも思えないが、マシュマロだけはあげないようにしよう。



『陣平さん、そもそもお菓子食べるのかな...。』



スーパーへ着いて、商品を見る。



おそらくバレンタインの材料を買いに来た女子高校生や、幸せそうな顔をした女性。



華やかに飾られたバレンタインの文字。



目の前にして悩む。



『...バレンタインは気持ちなんだから。』



そう言い聞かせて、チョコを手に取った。

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作者名:hjnPRvuDEVdasep | 作成日時:2022年10月17日 22時

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