今日:4 hit、昨日:19 hit、合計:33,154 hit
小｜中｜大
64. ページ14
｢あいつと何喋ってたんだよ。｣
『んーと、知り合いの話ですかね。』
｢...知り合い、か。｣
少しだけ口角が上がった気がした。
『あ、あと光さんの友達が、煙草臭くて困ってるって言うことも。』
｢あいつ...。｣
とたんに上がっていた口角は下がり、呆れてため息をついた。
『陣平さん、知り合いなんですか？』
｢あー、いや。知り合いっつーか...まあ、知り合いか。｣
『そうなんですね。』
『というか、そんなどうでもいいことはいいんです。それよりも渡したいものがあるんです。』
｢渡したいものってなんだよ。聞いても教えてくんねぇし。｣
陣平さんはきっと忙しくて、イベントの存在を忘れているのだろう。
『はい、これ。バレンタインのお菓子です。』
そう言って紙袋を陣平さんに渡す。
少し驚いて目を見開いた。
しばらくまじまじと観察したあと、私の頭を雑に撫でる。
｢ありがとな。｣
『頑張って作ったので、ちゃんとあじわってくださいね。』
さっきから上がったままの頬が下がらない。
｢ああ、そうだ。じゃあ俺からも。｣
とたんに真面目な顔になり、私に向き直った。
『話したいことがあるんですよね。なんですか...？』
急に不安な気持ちが襲ってきて、語尾が小さくなる。
しばらくしてから放たれた言葉。
｢しばらくお前とは会えない。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 212人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：hjnPRvuDEVdasep | 作成日時：2022年10月17日 22時
