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『佐藤刑事!』
「Aちゃん...。」
『やれることはやりました。あとは...陣平さん次第です。』
「...ええ、ありがとう。」
もう諦めきってしまっているのか、寂しそうに笑うだけ。
そんな顔しないで。
私の代わりに、陣平さんと幸せになって。
そのために、私は頑張ったんだから。
「...ねえ、Aちゃん。」
『はい。』
「貴方は、松田君とどういう関係なの?」
言葉に詰まる。
どういう関係なんて、自分でもわかってない。
陣平さんは私の想いに気づいてるはずなのに、なんてことないように話しかけてくる。
『...知り合い、ですかね。』
自分で答えていて悲しいなと思う。
諦めるつもりもないけど、完全な脈ナシと分かればだいたいキリが着く。
私よりも強くて綺麗な佐藤刑事と、かっこよくてなんだかんだ優しい松田刑事。
この上ないくらいお似合いだ。
『彼はきっと、佐藤刑事を置いていったりしませんから。』
「そうだといいんだけどね...。」
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作者名:hjnPRvuDEVdasep | 作成日時:2022年10月17日 22時