夕刻、君を追いかける【名探偵コナン】 (ページ8)

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『嘘でしょ...せっかくの新一くんとの...。』

そのつぶやきを耳にしてしまった人物がいた。

「お前、デート中か？」

『えっ、いや、その』

「ちょうどいい。人の幸せぶっ壊すのが俺の趣味でなあ。｣

なんて性格の悪い。

人質は交代され、私が標的となった。

「センパイ...！」

あの顔は、なにか打開策を考えてくれているに違いない。

新一くんを信じたい。

そう思うより先に、お店の人がおずおずと出てくる。

「あの、これ、お金ですので...！」

「各店から、と言ったはずだが？少なすぎるだろうが。」

「新しく出来たばかりで店舗数が少ないんです...！」

ダメだ、お金を渡してはいけない。

犯人の思うつぼになる。

だとしても、我が身より大事なものは無い。

大人しく犯人とお店の人との会話を見届け、私は開放されるはずだった。

「...ちょうどいい。こいつ使っていっちょ稼いでくるか。」