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44. ページ44

「楽しんでー!」



そう言ってゴンドラの扉を閉める。



『わあ...!綺麗!』



観覧車から見える景色はすごく綺麗で、1枚写真を撮った。



今なら、貴方との出会いを、思い出話として語ることが出来るかな。



『...松田さん。』



「あ?」



『最初は貴方のこと、すごい怖かったです。威圧感すごいし、サングラスかけてたし。』



その言葉に少しだけ眉をひそめた。



『でも、今は怖くないです。こうやって私のわがままに付き合ってくれて。威圧感は今でも変わらないですけど...。』



『貴方と出会えたこと、凄く嬉しいです。貴方のおかげで私は警察っていう夢が出来ましたし。』



「...そーかよ。」



あんな人たらしの幼なじみがいるのだから、褒められる事には慣れてると思っていたのだが。



彼はそっぽを向いてしまう。



『...私はあなたのこと、萩原さんに目標だと言いました。でも、それ以上の想いも持っています。』



奥手な私にしてはよく言った。



本当はこんなこと言うつもりじゃなかったけれど、先程の女子高校生の話に感化されてつい口が滑ってしまった。



彼からの返答を待つ。



しばらくして街の景色を眺めながら彼はこう言った。



「俺は警察官だ。お前みたいな子供と恋愛する気はない。逮捕される側になっちまうしな。」



「ただまあ...俺を目標にするってんなら、時間ある時に俺の解体知識みっちり叩き込んでやるよ。その恋愛脳が無くなるくらいにな。」



きっと振られた、と思う。



でも、気まずくならないのはきっと彼のおかげだろう。



『ぜひ、お願いします...!』



彼の近くに居れるなら、それは本望だ。

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作者名:hjnPRvuDEVdasep | 作成日時:2022年10月13日 19時

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