21.お呼びじゃないと見限った ページ21
「なあ、赤羽くん？自分、ほんまは何者なんや？」
しんと静まり返った部屋に、今吉のその問いは嫌に響いた。
伊月や氷室、高尾はカルマから目を離さない。今吉を含むこの四人は、今まで少しもそんな素振りは見せなかったが、カルマや渚、烏間、そしてAを疑っていた。
「何者ってどういう意味？お兄さん。椚ヶ丘中学3年E組の、赤羽業、潮田渚、赤司A。烏間惟臣は副担任のセンセ。……こういうことじゃないよね？」
「椚ヶ丘ゆーたら、えらい名門やな。そんなとこの生徒さんが、ナイフ常備して振り回して、しかも手慣れとる。自分に至っては一睨みで桜井を気絶させてもうたしな。そんなで、怪しい思わん奴がおると思うんか？」
今吉の言葉は核心をついていた。
そしてそれは場の空気を一変させ、カルマは警戒を強めた。しかし挑発的な笑みはそのままに、いくらか上にある今吉の顔を怖気づくわけもなく見つめ返す。
「名門校だからってさ、みんながみんな良い子ちゃんだと思う？俺らはE組。落ちこぼれだよ」
「カルマ君、君の発言には些か語弊があるな。君達二人は落ちこぼれだとしても……Aは違うだろう。彼女は赤司家の人間だ。決して落ちこぼれなどではない」
「あんたも、親父さんと同じこと言うんだね。さすが親子だ……その言葉の重責で、Aが押し潰されて苦しんでることに気付かないわけ？」
「それを跳ね除けてこそ、赤司家の人間だと僕たちは教えられただけだよ」
今吉が少し身を引くと、赤司が鋭い眼光でカルマを睨んだ。
カルマは挑発的な笑みを崩し、無表情のまま彼に問いかける。
彼女が家族から……_____父親から、酷い扱いを受けているのは自分のせいだ。彼はそう知っていた。
知っていてなお、彼は彼女をA組という、いるべき場所に戻すことはしなかった。彼の無自覚の依存は、教師というものに絶望したあの日から輪をかけるように強くなっていき、彼女の心に巻き付いていた。
その拘束を解きたくても、もうひとりの自分が邪魔をする。彼女を求める自分。離したくない、今以上にそばにいてほしい。
求める自分と離したい自分、その二つが絡み合って、彼は身動きの取れない状態にあった。
だから、彼は希望を抱いたのだ。
彼女の兄なら。赤司家の長男としてこの状態を打破することができるはずだと。
彼女の兄として、癒すこともできるはずだと。
だが、今の赤司は、彼が求める赤司ではなかった。
「俺が必要としてる征十郎さんは、あんたじゃない」
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水戸(プロフ) - mmさん» ご意見ありがとうございます。続編を作る上での参考にさせて戴きたいので、お手数ですがどの辺りが分かりにくいのか教えて戴けると幸いです。 (2015年7月4日 0時) (
レス) id: 6cc41e8e07 (このIDを非表示/違反報告)
mm - 話の内容が分かりづらくて、消化不足です。もう少し分かりやすく書いてもらえると嬉しいです。 (2015年7月3日 19時) (レス) id: 7a37a5dac9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 待ってます！続編楽しみにしてます！ (2015年6月19日 14時) (レス) id: 0d203ae5c7 (このIDを非表示/違反報告)
和凛/渚とカルマ嫁 - 初めまして、続き頑張って下さい。ホラー苦手ですが、黒バスと暗殺教室コラボなっているので。 (2015年6月5日 21時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 初めましてさくらです！黒バスと暗殺教室のコラボしかもホラー！！すごくいいです！更新楽しみにしています！頑張って下さい！！ (2015年2月11日 15時) (レス) id: 6d4cdbec17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水戸 | 作成日時：2014年3月20日 15時
