十話 ページ10
美男子コンテスト当日。
毎月27日に開催される、このコンテストはこの学院の伝統行事と化していた。
投票は大体の生徒が生徒会に票をいれる。
「はいはーい、ちゃんと並んでくださいねー」
グラウンドでは遠くまで声が届かないために、Aは拡声器を手にしていた。
混雑しないように、拡声器を使って列を整理している。
「彼、本当によく働きますよねぇ…どうしてなんでしょう」
「暇だから、じゃないかな？」
問いかけ、答えを出したのは下呂と有馬だ。
彼らは校舎の壁に寄りかかり、喋っていた。
そんなことで、と下呂は思うが彼ならばあり得るとも思った。
そして、彼は生徒会特有の白い制服を着ていない。
そのため、あまり生徒会役員とは認識されていない。
つまりそこから起こるのは一つの事件だ。
「ほらほら、また埋もれ始めてきたよ」
有馬が指すのはAのいる場所。
そこにはAがいた筈であったが、今は生徒しかいないように見える。
移動した訳ではない。
「またですか…？」
少し苛ついた様子で、呆れたようにその場へと足を運ぶ。
Aがいるのは生徒達の中。
下呂はその生徒達に埋もれた中からAの手を掴んだ。
正確に掴まれたその手を引き、生徒の中から引っぱり出した。
「こうなるからやらなくていいって言ったのに…」
「そうですか？」
Aは平然とまた仕事をしようとする。
しかし有馬はそれを止めた。
「やらなくてもいいよ。もうすぐ美男子コンテストも終わるからね」
終わりに近づいたコンテストには仕事はない。
コンテストの結果はいつも通りだった。
しかし一位と三位が同票であった。
一位には草津錦史郎と由布院煙が。
三位には下呂阿古哉と蔵王立が同票であったのだ。
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薇(プロフ) - もっちり兎さん» 有り難うございます！これからも可愛く、面白く書けるよう努力します！ (2017年4月2日 22時) (
レス) id: c25bec0eb9 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - なんだか可愛いくて、おもしろいです！楽しみにしてます！ (2017年3月20日 0時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薇 | 作成日時：2016年7月21日 2時
