十五話 ページ15
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少し肌寒い風が吹く。
日はとっくに落ち、空は暗くなっていて電信柱に付けられた蛍光灯だけがその場を照らす。
周囲からは人の声などが聞こえる筈がない。なのに……。
「どこかから人の声が聞こえるんだけど……」
Aは風呂上がりに散歩を兼ねて旅館からコンビニに向かう途中であった。
旅館と言うだけあって人里からは少し離れており、山の麓にある。
「聞こえてくるとしたら、こっちしか無いよね……？」
コンクリートで舗装された道を歩くAの言う"こっち"とはAから見て右側。
木が生い茂り、奥が全くと言っていいほど見えない、森のような場所だ。
風で木が揺れ、森はざわざわと音を立てる。
それはどこか不気味で、思わず逃げ出してしまいそうな程に恐怖を覚えさせる。
しかしAは、逃げ出すとも素通りするともせずに、森の中へ歩を進めた。
Aはどちらかと言うと、こういうような怖いものが駄目だった。
小さい頃から暗いところは苦手であり、お化け屋敷などもっての他だ。
だがAは、恐怖よりも好奇心が勝る方の人間だった。
怖いと分かっていながらも、お化け屋敷に興味津々で入る。それが宇川Aだった。
……森から出られれば問題は無いし！
Aはコンビニそっちのけで森に足を踏み入れた。
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薇(プロフ) - もっちり兎さん» 有り難うございます！これからも可愛く、面白く書けるよう努力します！ (2017年4月2日 22時) (
レス) id: c25bec0eb9 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - なんだか可愛いくて、おもしろいです！楽しみにしてます！ (2017年3月20日 0時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薇 | 作成日時：2016年7月21日 2時
