十二話 ページ12
街中で偶々出会った蔵王と鳴子。
その二人に、Aは同行することになった。
Aが言ったのだ。
「何の縁か偶々偶然出会ったわけですし、お茶しましょう！」と。
Aはるんるんとまた歩き出す。
その小学生のような立ち振舞いに。
蔵王と鳴子は７歳程の少女を連れて歩いているような感覚に陥るが、現実を知り正気に戻った。
コイツは高校生だ！それも男！と。
「蔵王先輩と鳴子先輩は、服とか興味ないんですか？」
「服…ですか？私はあまり興味はありませんが…」
「俺もあんまり、興味はねーかな。女の子と並んで遜色無いくらいにはしてるけど」
へー、そうなんですか。とAはため息を吐く。
「お二人共、顔が整っているので髪伸ばせば女の子の服とか似合いそうなんですけどね…」
その言葉を聞いた瞬間、蔵王と鳴子は青ざめた。
この後輩…俺達を女装させようとしてた……！？
二人揃ってそう思った。
そして笑顔でものすごい事を考える子だとも二人は思った。
「あ、試しに家でメイド服とか着てみます？丁度二着くらいあるので…」
「「遠慮します……！！」」
息の合った即答だった。
その時、先行して歩いていたAが何かを落とす。
蔵王はそれに気付き、落ちた物を拾う。
落ちた物は琥珀色の宝石で、ダイヤ型にカットされていた。
「おーい宇川！これ落としたぞ」
くるりと振り向き、髪を靡かせ花の香りを撒き散らす。
Aはきょとんとした顔で蔵王を見つめる。
「あ、すみません。落ちちゃってたみたいです」
Aは持っていた肩から斜めに掛けるタイプの鞄を見る。
キーホルダーとしていたのか、一本だけ紐が切れていた。
恐らくそこに合ったのだろう宝石は日に照らされて、キラキラと輝く。
「随分と綺麗ですね。ご両親からのプレゼントか何かですか？」
「いえいえ。学校から帰る途中に道端で拾いました！」
この子、本当に大丈夫だろうか。
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薇(プロフ) - もっちり兎さん» 有り難うございます！これからも可愛く、面白く書けるよう努力します！ (2017年4月2日 22時) (
レス) id: c25bec0eb9 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - なんだか可愛いくて、おもしろいです！楽しみにしてます！ (2017年3月20日 0時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薇 | 作成日時：2016年7月21日 2時
