二話 ページ2
黒玉湯前で三人は出会った。
三人は男二人と女一人で別れており、特に話すこともない。
しかし黒玉湯に入ってからが問題だった。
女湯に入るであろう一人が男湯に向かって歩いていくのだ。
煙「え…いや…アンタ…」
二人のうちの一人、由布院煙は狼狽えた。
一人は長い髪を靡かせ、振り返る。
A「え?」
目をぱちぱちと瞬きさせ、身長の高い二人の顔をみる。
自分よりも背が高いため、必然的に上目使いとなる。
そんな二人のうちのもう一人である鬼怒川熱史は、疑問を唱える。
熱史「あの…どうして男湯に?」
A「何でって…男だからですよ」
この言葉が二人を硬直させた。
二人よりも小さい分、女の子にしか見えない。
拭いきれない沈黙の中に、夜特有の肌寒い風が吹く。
A「あの、寒いですし早く入りましょうよ」
煙「…それもそうだな」
〜 〜 〜 〜 〜 〜
煙「本当に男なのか…」
湯船に浸かりながら先程まで女だと思っていた相手と話す。
よく考えてみれば、眉難高校の制服を着ていた。
敬語はもはや不要だ。
少しの間を埋めるかのように浴場の扉が引かれた。
有基「あ、Aもう来てたんすね！先輩ズも！」
三人全員が見知った顔であった。
熱史「ユモト、知ってるのか？」
有基「ん？Aのことっすか？」
二人は頷く。
ここで二人は理解した。
出会った彼が一年生であることと、有基の友達であるということを。
A「お邪魔してるよ」
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薇(プロフ) - もっちり兎さん» 有り難うございます！これからも可愛く、面白く書けるよう努力します！ (2017年4月2日 22時) (
レス) id: c25bec0eb9 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - なんだか可愛いくて、おもしろいです！楽しみにしてます！ (2017年3月20日 0時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薇 | 作成日時：2016年7月21日 2時
