☆ ページ9
ym side
慧ちゃんが、ぶーぶー言ってる。
「高木の舞台、見に行きたいのに」って。
だめって言われたら言われるほど、やりたくなるものだよね。子どもは。
だけど、慧ちゃんはひとりで電車なんか乗れないし、ひとりで出かけるなんで、絶対に無理だから、こうやって、ぶーぶー文句を言ってるんだろう。
それに雄也の舞台は、刺激が強すぎるから、俺も「一緒に行こうか」なんて言えない。
今日は慧ちゃんの家におよばれして、みんなでご飯を食べて、今は慧ちゃんの部屋でまったりタイムだ。
山「生ちゅーなんて、恥ずかしいんじゃない？お芝居とはいえ、メンバーに見られたら」
伊「んーそうかなぁ。そうかもね」
山「そうそう」
あんまり納得してない顔した慧ちゃんは、ベッドでうつ伏せに寝転がって、漫画を読み出した。
俺はその隣に寝転がって、慧ちゃんの顔を見つめる。
真剣に漫画を見てる横顔が可愛い。ちょっと開いちゃってる口が可愛い。
生ちゅーしたい！
けど、慧ちゃんの部屋では我慢！だ。
山「今度はうちに来て」
伊「うん。涼介が来てもいいよって言ってくれたら、遊びに行くから、涼介が決めて。楽しみに待ってるからね」
山「・・・うん。楽しみだね」
こっちを見ないで言った慧ちゃん。
この前の「恋と愛の違い」の話しは、とりあえず棚上げにしたから、ここでも触れない事にする。
山「じゃあ、今度のレギュラー番組の収録終わりは？」
伊「うん！いいよ！行く！」
こっちを見た慧ちゃんは嬉しそうに笑って、見てた漫画を閉じるとあおむけになった。
あおむけになって目を閉じた慧ちゃん。
山「慧？眠いの？」
伊「寝ちゃったぁ。寝ちゃったから涼介にキスされても、記憶にないよ。記憶にないから、薮に怒られない」
山「ふはっ」
慧ちゃんからのリクエストに答えて、キスをする。
ちょっとだけ。
そう欲張って慧ちゃんの可愛いしたくちびるを軽く噛んで、吸ってから舌を差し入れる。
んんっあぁ
可愛い慧ちゃんの口から大人に甘い声がもれて、ちょっとだけのつもりではじめたキスがなかなか終えられない。
伊「だめえぇ」
山「だめ？」
伊「えっちしたくなっちゃう」
山「なっちゃう」
伊「また、こーんーど。ね？約束。ね？」
目を開けて、立てた小指を差し出すのが憎らしいから、ぱくりと小指を食べたら、びっくり顔した慧ちゃんが、ふわりと笑った。
なんだか、大人な顔。
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作者名：昨日 | 作成日時：2024年3月14日 16時
