☆ ページ35
ym side
はちゃめちゃ飲んだ。
みんなは。
そんで、いつものようにリビングで、雑魚寝。
だけど、俺はみんなにバレないように飲む量をセーブして、そっと恋人の部屋に入る。
「お布団に来てもいいよ」なんて言われたら、来るに決まってる。大きな口を開けて、ぐうぐう寝てる慧ちゃんの布団に潜り込んで、慧ちゃんの首筋に鼻を寄せる。
いっぱい遊んだから、ちょっと汗の匂いがさして、どきりとしてしまう。
そっと腰に手を回して抱きよせたら、眉間にシワを寄せた。
あっ、目が覚めちゃう?
ごめんねって気持ちと、目が覚めて欲しい気持ちで、じっと慧ちゃんを見つめる。
伊「んー大ちゃん?暑いからぁ・・・お酒、飲んだんでしょ。また、俺の事を放っておいてぇ」
山「・・・」
目を閉じたままの慧ちゃんが身体をすり寄せたけど、大ちゃんだと思ってるらしい。さっきまで、大ちゃんが隣にいたから。
だけど、恋人にするみたいに、大ちゃんにいつもしてるのかと思うと、気持ちが黒くなってしまう。
やっぱり、来なければ良かったかも。なんて思っていたら、嬉しそうに慧ちゃんが言った。
伊「大ちゃん、誕生日おめでとう。これからもずっと一緒にしてね。約束だからね」
山「・・・」
伊「大ちゃんやみんながいて、恋人までいるなんて、俺は幸せ者だよね。山ちゃんが俺を好きになってくれるなんて、奇跡みたいだよね。山ちゃん・・・酔っぱらってないかなぁ」
山「・・・酔っぱらってないよ」
伊「・・・りょ、涼介!?」
がばりと起きた慧ちゃんは、真っ暗なせいかよく見えないみたいで、顔を近づけて来た。
俺の鼻先に鼻をくっつけて、ぐりぐりすると、ほっぺをぺたぺた触りだした。
くすぐったくて笑ってしまえば、ぎゅって腰に抱きついて来た。
伊「来てくれたんだぁ。やったぁ」
山「来てって言われたから」
伊「ふふっ一緒に寝よう。今日は、えっちはしないで、ぎゅってして寝ようね。家では、えっちな事はしない約束だからね」
ふふって笑った慧ちゃんは、嬉しそう。
俺を大ちゃんと間違えた事を悪いとなんか、考えもしない慧ちゃんは、ずっと嬉しそう。
まぁ。いっかぁ。
今日は大ちゃんの誕生日だし。
伊「次は涼介の誕生日だね」
山「恋人になって最初の誕生日だね」
伊「ふふっみんなで誕生日パーティーしないとね」
・・・そうか。
そうだよな。
誕生日パーティーだよな。
慧ちゃんに“恋人と過ごす誕生日”の発想はないよな。
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作者名:昨日 | 作成日時:2024年3月14日 16時