☆ ページ29
tk said
高「なあに。慧くん」
伊「ゆっ・・・」
高「んっ?」
伊「・・・ベーつに」
ぷいっと、裕翔の隣に座るとなにやらナイショ話をはじめた慧くん。何か、怒ってる事は分かった。
分かったけど、よく分からなくて知念を見たら、こちらも、むうっと顔して怒ってる。
さっきまでご機嫌だった知念が、どすどす歩いて行って、慧くんの前に立つと、それに気が付いて見上げた慧くんに言った。
知「慧ちゃん、僕の名前は?」
伊「知念だろ」
知「知念?」
伊「侑李」
知「でしょ!僕の事も下の名前で呼んでよ!」
“僕も”
“も”
あっ、俺の事、下の名前で呼んだのか慧くん。
気が付かなかった。
プンプンしてる知念に、慧くんが反論する。
伊「知念は知念」
知「なんでー!」
伊「知念は年下だから」
知「ゆーてぃだって年下じゃん!」
伊「・・・でもでも」
知念に詰められまくって、困った慧くんが裕翔に助けを求めて、腕につかまる。
裕翔も困ったように頭をかきながら苦笑い。
そんなビミョーなこう着状態を打破したのは八乙女くん。
八「はあっ・・・まったく。裕翔、白状しろ」
中「はーい。慧ちゃんにみんなの事、下の名前で呼んだら良い事あるかもって言いました。薮ちゃんからおこずかいもらえたから、2匹目のドジョウを狙ったら、やぶ蛇だったの」
薮「・・・」
知「・・・おこずかいあげるから、ゆーりって言って欲しい!」
伊「ドジョウ?蛇?薮が蛇?どうゆう事?」
まったく。
裕翔のいたずらか。
よく分かってない慧くんは、裕翔を見たり知念を見たり、薮くんを見たりしてる。
眉間にシワを寄せてた薮くんと八乙女くんが裕翔を呼び出し、なにやら説教が始まると、俺のそばにぴたりとくっついた慧くん。
伊「ゆーやゆーやぁ」
高「ふはっ」
知「もおーっ!慧ちゃん、僕の事も呼んで!」
確かに。
慧くんの下の名前呼びは、可愛い。
おこずかいあげたくなる薮くんの気持ち、分かる。分かるから“ナイショ”ってジェスチャーをして、おこずかいを渡す。
伊「わあ!わあわあ!」
知「慧ちゃん!僕の名前も呼んで!」
伊「知念も回転寿司、行こう!わあーい!」
知「慧ちゃんってば!」
なぜだか知念の事は下の名前で呼ばない慧ちゃんは、にこにこしながら、俺があげたおこずかいをポケットに入れた。
俺も一緒に回転寿司、行きたいなぁ。
なんて思ってたら、楽屋のドアが開いた。
入って来たのは有岡くんと山田。
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作者名:昨日 | 作成日時:2024年3月14日 16時