☆ ページ28
hk said
まったく・・・
どー考えても裕翔だろ。
俺たちに背中を向けてるけど、こっちをチラチラ見てるし、笑いをこらえて肩が揺れまくってるし。
ってか、このあとの収録、大丈夫か？使い物になるのか？
慧に「宏太」呼びされて、骨抜きどころか魂まで抜かれた男は。
そんな魂まで抜かれた男を慧が、さらに追い詰めるような攻撃をしかける。
伊「こーたぁ、こーたぁこーた」
薮「・・・慧、薮と呼びなさい」
伊「なっ、なんで？嫌なの？」
それは懸命な判断だ。
これをテレビカメラの前でやられたら、へらへらでへにょへにょになった放送禁止の顔な薮になってしまう。
しゅんとしてしまった慧に、頭をぼりぼりしながら、どう説明したら良いか困ってる薮にしょうがないから助け船を出してやる。
八「今まで薮って呼ばれてたから、慣れないんだよな」
薮「そっそうそう！」
伊「・・・」
八「とりあえず、お家で時々、呼ぶ所から始めよう」
薮「そうそう！慣れないと！」
伊「・・・うん。分かったぁ」
なーんか納得してない慧に薮が、財布を出してお金をあげた。
薮「あとで、昼ごはん食べに行くんだろ。何でも好きなの食べろ。裕翔と一緒な」
伊「・・・うん」
薮「おつりは慧にあげる」
伊「ありがとゆーとぉ！」
薮からもらったお札を握りしめて、裕翔の所にダッシュすると、お札を裕翔の目の前で広げた。
伊「いー事あった！」
中「良かったね。回転寿司に行けるね」
伊「わあっわあ！わあっ！」
ご機嫌にジャンプしてる慧。
やっぱり参謀は裕翔だったらしい。
そんな事は耳には入っていない薮は「こーたぁ」って呼ばれた余韻にひたりまくってる。
薮の気持ちは分かる。
慧の舌足らずな言い方で、ひらがなに聞こえて可愛いんだよな。不思議と。
回転寿司の軍資金をポケットに入れたタイミングで、楽屋のドアが開いた。
入って来たのは、知念と高木。
・・・あっ
と思ったのは俺だけじゃなかったみたいで、慧が叫んだ。
伊「ゆーやぁー！」
それまで話をしていた知念と高木の動きがぴたりと止まり、いっきに余韻から覚めた薮。また、肩を振るわせる裕翔。
そんな空気なんか我関せずな慧がまた、叫んだ。
伊「ゆーやゆーや、ゆーやぁー！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 215人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：昨日 | 作成日時：2024年3月14日 16時
