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○○活 ページ27

yt side

ふと気が付いて、気になり出したら解決しないと気がすまなくなるのは、おれの性格だ。

中「慧ちゃんはなんで、薮ちゃんの事を薮って言うの?」
伊「ふへえっ?」

グループでの仕事の合間、楽屋には俺と慧ちゃんしかいない。
みんな、ご飯を食べに行ったけど、慧ちゃんはまだお腹が空かないらしく、俺もまだ大丈夫そうだから、慧ちゃんと一緒に楽屋でまったり中だ。

ご褒美な時間を満喫してた俺が質問すると、床に座った俺の足の間に座って漫画を読んでる慧ちゃんが、不思議そうな顔して見上げて俺を見つめた。

きょとんとした目と、ちょっと開いたぷにぷになくちびる。メンバーの恋人でなければ、本気で落としに行く可愛さだ。

慧ちゃんが名字で呼ぶのは、知念・高木・薮。山田は“山ちゃん”て呼ばれてるけど、ふたりっきりの時は、“涼介”って呼ぶいらない情報は、山が酔っ払った時にべらべら話してたから、どーでもいい。

中「ずっと一緒に暮らしてるのに、下の名前で呼ばないんだね」
伊「・・・変?」
中「変じゃないよ。人それぞれだから」

むうーって、難しい顔し出した慧ちゃん。

薮ちゃんはたいてい「薮ちゃん」って呼ばれてる。光くんと慧ちゃんは「薮」知念だけが「宏太」だ。

考えこんでる慧ちゃんを見て、いたずら心に火がついた。

中「宏太って呼んだら、いー事あるかもよ」
伊「いー事って?」
中「んー、呼んでみたら分かるよ」
伊「ふーん」

気のない返事をした慧ちゃんだったけど、“いー事”“呼んでみたら分かるよ”っていう俺のエサに食いついた慧ちゃんが、すぐに行動に移した。

先に戻って来たらしい光くんと薮ちゃんが、ソファーに座って、ひと息ついた時に、事は起きた。

伊「宏太ぁ、ランチなんだった?」

それまで笑顔で話をしていたふたりの動きがぴたりと止まる。
慧ちゃんは、薮ちゃんの目の前まで移動して、さらに無自覚な攻撃を続ける。

伊「宏太?聞いてる?今日のランチはな」
薮「ど、ど、どしどしどしたた、たぁけけけっけっ慧」
伊「何が?ってか、顔、真っ赤だぞ宏太」
薮「なっなっなんだよよよ、なっなななあ、名前」

もう、可愛すぎるから薮ちゃん。
動揺しすぎて、とっちゃらかってるから。

そんな薮ちゃんには気が付かない慧ちゃんは、あわあわしまくってる薮ちゃんを不思議そうに見てる。

伊「こーたぁ?宏太って呼んでみた。嫌か?」
薮「あうっふはあっぐはあっ」

慧ちゃんの舌足らずな言い方に、完敗だ。

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作者名:昨日 | 作成日時:2024年3月14日 16時

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