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yt side

豪華なホテルと聞いてはいたけど、ベッドルームがなん部屋もあって、サウナに露天風呂までついてるなんて、はちゃめちゃセレブだ俺たち。

と思うけど、一泊いくらなんだろ。なんて下世話な事を考えてしまう時点で、俺はセレブにはなれない。

今日は薮くんのおごり。
どんだけ、慧ちゃんが大事で、大好きなんだか。そんな最年長は時々、慧ちゃんにちょっかいを出しては、にやにやしてる。

人の幸せは人それぞれだけど、薮くん幸せそうだ。

なんて考えていたら、手が止まっていたらしい事に気が付いた慧ちゃんが話し掛けて来た。

「ゆーと?食べないの?」

首をちょっとだけかしげて、顔をのぞきこんでくる小悪魔作戦を無自覚で仕掛けて来る天使ちゃんのほっぺは、お寿司が入ってて、ふくらんでる。

中「サウナ入ろうかと思って。出たら、いっぱい食べるよ」
伊「えっ?いっぱい食べてらサウナ入れないの?」
中「慧ちゃんはお腹を休めてるうちに、山が来るでしょ。その頃にはお腹が落ち着くから、大丈夫だよ」
伊「良かったぁー!」

心配な顔が一転、にこにこになって、お寿司を口に入れた。

みんなお酒を飲まないで、のんびり食べてる。
慧ちゃんは山が来るまで、サウナにも露天風呂にも行けないらしい。相変わらずのヤキモチ妬きが爆発してる。

伊「さっき、サウナの見学に行ったんだ。狭いからみんな一緒は無理だね」
中「まあ、プライベートサウナだからね」
伊「露天風呂はみんなで入れそうだったぁ」
中「みんなで入ろうね」
伊「うん。ふへへっ」

ドラマを頑張った慧ちゃん。
慧ちゃん、大人になって来たのかなぁ。

今までならドラマなんか絶対にやらなかっただろう。
恋人ができて、色んな事を経験して。

慧ちゃんが大人になるのは嫌だなぁ。俺の方が年下だけど、慧ちゃんはいつまでも、慧ちゃんのままでいて欲しい。

時々、回転寿司に連れて行ってあげるから、いつまでも「回ってるお寿司やさんがいい!」って、言って欲しい。

中「慧ちゃん、可愛いね」
伊「ふあっ?」
中「大好きだよ」
伊「おっ俺も好きだよ。でも、恋人の好きは山ちゃんだけだから。ごめんな」

恥ずかしそうに言った慧ちゃん。
やっぱり、ちょっとだけ大人になっちゃった。

うんって言ったら、頭を撫でてくれた慧ちゃん。大好きだよ。

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作者名:昨日 | 作成日時:2024年3月14日 16時

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