成長痛を知らない君6(ymin) (ページ20)

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☆ ページ20

ar side

高木はあとで合流予定で、4人で出発！ゴー！だ。

薮ちゃんが運転、助手席に光くん。で、うしろに俺と慧が並んだもんだから、慧がうるさいうるさい。

「大ちゃん！サウナサウナ！」
「オロポだからね！」
「露天風呂で泳ぐ？」
「今日は寝ないんだから！」
「朝もサウナ入るの？」

もう、息をしてないんじゃないかってくらい、しゃべりまくってる。それも、しょーがない。

サウナを禁止されてた慧の初サウナだ。そりゃテンションもあがるってもんだ。

八「今からそんなだと、サウナ入る前に疲れちゃうぞ慧」
伊「だってー！」

俺もそう思う。
慧の初サウナは仕事終わりに合流予定の山田が来てから。らしいけど、山田が来る前に寝ちゃいそう。

だいたい、自分がいない所で裸になって欲しくないなんて、山田のヤキモチ妬きは、相変わらずだ。

今さら慧の裸を見たって、どうこう思わないっての。
と思うけど。

伊「みんなでお泊まり、楽しみなんだもん」
有「寝る前はまくら投げしないとな」
伊「楽しそう！ってか、まくら投げって何？」

まくら投げってのは、修学旅行の夜の定番の遊びで、ただただ、まくらを投げ合うという遊びなんだけど。

なぜか盛り上がる事、間違いなしな遊びだ。

俺がまくら投げについて説明すると、「やるやる！やろう！」とおお張り切りな慧。

高級ホテルだから、まくらは柔らかそうなイメージだし、みんなで布団を並べて寝る訳じゃないからなと思ったけど、薮ちゃんがまくら投げの必勝法を慧に伝授してるから、口出しは止める。

慧がドラマを頑張ったご褒美のお泊まり。

俺も楽しみなのは、サウナがあるからだけじゃない。

伊「大ちゃん、朝、起こしてあげるからね」
有「優しく頼む」
伊「いつも優しいじゃん」
有「お腹に乗っかって、大きい声を出すのは優しくないから」
伊「大ちゃんが起きないからだろ！最初は、優しく起こしてるから！起きないから、優しい俺を知らないんだよ！」

ぶうぶう言ってる慧に、起こしてもらうのが嬉しくて、ちょっとだけ寝たふりする時があるのは内緒だ。