☆ ページ18
hk said
「ひかぁ」
やっぱり。
ドアが開いて、おずおずと顔をのぞかせた慧。
時計を見れば24時をだいぶ過ぎてる。
薮のあほでおばかなエイプリルフールの結婚宣言で、テンションが上がって、眠れなくなるだろうと思ったけど、やっぱりだ。
「おいで」
そう言えば、おずおずとベッドに上がって、布団に潜り込んできた慧は、ふへへって笑ってる。
こうゆう時に俺の所に来るから、ついつい甘やかしてしまうんだよなー。それが分かっててやってるのかと思わない訳じゃないけど、慧はそんな計算できる子じゃない。
身体をぴったりくっつけて来るのが、また可愛い。
八「眠れないの?」
伊「んーだって嬉しいから」
俺と薮の結婚。
ねぇ・・・
あいつとキスすらした事ないし、これから先もする予定もない。
けど、慧と家族になれるのなら。
それが“結婚”って言葉なら、結婚したっていい。
そうしたら一生、慧と繋がっていられるなら。
なんせ、今の世の中は“多様性”だ。“家族婚”だってありな世の中になるかもしれない。
伊「あのさぁ」
八「んっ?」
伊「光と薮は、どっちがずいずいするの?やっぱり、薮?」
ずいずい・・・えっちの時にどっちが入れるか入れられるかを山田が慧に説明した時に使った、例えのやつだ。
俺の腕に抱かれた、うぶだと思ってた子どもが、爆弾発言をかましてきた。興味津々な大人な顔しやがって!
だから!
キスすらした事ないし、する予定もないっての!
なんて、言いたくないのは大人の見栄。
そういえば、俺が経験した事がない事を慧は経験してるのか。
ずいずいされてるんだ。
大人だ・・・。
八「まっまぁ・・・な」
伊「やっぱり!じゃあ、えっちの前の準備は薮が手伝ってくれるの?俺、最初は恥ずかしかったけど、お風呂で山ちゃんが準備を手伝ってくれて、終わってからも手伝ってくれる時に山ちゃんが“ありがとう。好きだよ”っていつも言ってくれるから、恥ずかしいけど嬉しくなるんだ」
赤裸々な告白をする慧は幸せそうな顔してる。
慧と山田のそんなのを垣間見てしまって、恥ずかしいような、山田が慧に優しくしてくれてて、ほっとしたような。
寂しいような。
八「そうゆう事も内緒だからね」
伊「恥ずかしいんだもんな」
八「まぁ・・・」
にこにこ笑ってる慧。
これは取り返しがつかない事になって来たけど、誰にも相談できない秘密すぎて、どうしたものか頭の中がパニックで、俺も眠れなくなって来た。
215人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:昨日 | 作成日時:2024年3月14日 16時