☆ ページ14
hk said
結局、雑誌の取材には俺が付き添った。
あれだけ練習したのに案の定・・・
伊「・・・」
八「初めてのドラマ、どうでしたかって聞いてるよ」
伊「・・・はい・・楽しかった・・です」
はちゃめちゃ小さい声で答えた慧にみんな苦笑い。
インタビューしてくれてる人は、グループの雑誌取材の時に担当してくれる顔馴染な人だし、カメラマンさんもしかり。
グループの取材の時は楽しそうに質問に答えられるのに、なぜか人見知りが爆発してる慧をみんなして、可愛いって思ってるのは、にやけてる顔を見れば分かる。
八「最初は嫌だ、やりたくないって言ってたんだよね？」
伊「・・・はい」
八「でも、過去のシリーズのDVDを見たり、メンバーに相談して、やるって決めたんだよね？」
伊「・・・はい」
もう俺が答えてるんだけど。
ここで叱ったら、だめな事は分かってるから、慧の背中を撫でてあげる。
大丈夫、大丈夫。
って気持ちが伝わるように優しく。
だけど「初めてのドラマは楽しかったですか？」って聞かれた慧は、返事もしなくなってうつむいてしまう。
しばらく、みんなで待ってみたけど、それがますます慧を追い詰めたみたいで、ますますうつむいてしまう。
八「頑張ったよ。慧はいっぱい頑張ってました。とっても誇らしかったんだから」
伊「・・・本当に？」
八「本当に」
伊「ふへへっ」
やっとちょっとだけ笑った慧が、ちょっとだけ顔をあげた。
可愛い顔をみんなに見せないと。
伊「みんな、いっぱい誉めてくれるのが嬉しかったです」
八「だって、頑張ってたもん」
伊「ふへへっ」
また、ちょっとだけ顔をあげたから見えた顔は、嬉しそうに笑ってる。
この前、薮が付き添った雑誌の取材は、ちゃんと答えてたって聞いた。俺が付き添うと甘えちゃうのかなぁ。俺が慧に甘すぎるのかなぁ。
なんて、自己嫌悪な感情がわいて来る。
伊「光がお弁当を作ってくれたり、励ましてくれたりしてくれました。光、ありがとう」
八「・・・」
ぐすっと鼻をすすったら、慧が頭を撫でてくれた。
慧に甘くなっちゃうのはしょうがない。
だって、慧も俺に甘いから。おたがいさま。
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作者名：昨日 | 作成日時：2024年3月14日 16時
