☆ ページ49
hk said
父と娘の彼氏。の図。
だな。
うなだれる山田と、腕を組んで難しい顔してる薮。
山「今後は言い方を気を付けます」
薮「だな」
山「うん・・・慧ちゃん、単純に見えて難攻不落だなぁ」
薮「それが慧だから」
慧は単純なんだよ。
俺たち大人が忘れてる単純な事を大切にしてるんだ。
山田にメンバー以外の友達がいる事か嫌な訳じゃない。だけど、慧の世界のほとんどは、メンバーしかいないから、違う世界があるって想像するのが、ちょっとだけ怖いんだ。
八「まあ、慧が山田の事で落ち込むと、いつも以上に甘えたになって、にやにやしてるから薮は」
薮「ばっばかっ!にやにやしてないから!」
八「一緒に寝れると朝、にやにやして起きてくるじゃん」
薮「あれは慧が勝手に布団にもぐり込んで来るから、仕方なく」
あわあわして顔を真っ赤にした薮を冷めた目で山田が見てる。
よし!説教タイムは終了!
もうすぐ、慧が帰って来るから夕飯の準備をしないと。
立ち上がって、山田に声をかけて、手伝ってもらう。
キッチンに入って、小さい声でお願い事をする。
八「厚焼き玉子、作ってくれない?」
山「いいけど」
八「最近、言うんだ“光の厚焼き玉子がいちばん好きだけど、山ちゃんのも好き。いちばんがふたつ”ってさ」
山「・・・へぇ」
嬉しいのを隠しきれないにやけ顔になった山田が準備を始めた。
“いちばんがふたつ”
なんて素直に言えるのは慧だけ。
そんたくなんて言葉を知るはずもない慧の素直に気持ち。
家の厚焼き玉子の作り方は教えてやらないけど、山田の厚焼き玉子が好きになるのは、しょーがない。
すっかり機嫌が直った山田と、慧とのあれやこれやを思い出してるんだろうにやにやしてる薮。
あとは、慧の頑固な気持ちがまっすぐになったらいいなぁ。
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作者名:昨日 | 作成日時:2024年1月20日 9時