☆ ページ5
in side
「可愛い」って言われたら嬉しい。
山ちゃんや薮や光やメンバーに言われたら嬉しい。
だって俺の事、好きなの分かってるから。
だから俺の事を好きな人に「女の子みたいで可愛い」って言われたら、男だけど、嬉しい。
もしかしたら、小さい頃にからかってきた子たちも、俺の事、好きだったのかなぁ。
嫌で仕方なかった過去も、そんな風に思えるのは今が、幸せだから。恋人が抱き締めてくれてるから。
うとうとしながら、そんな事を考えて。
伊「りょーすけぇ」
山「んっ？」
伊「あ・・朝、起きたら・・すきって・・」
眠すぎて最後まで言えなかったけど「朝も言ってあげる」って山ちゃんの声が聞こえた気がして、ほっとして意識を手放した。
朝、目を開ける前に気が付いた。
「慧、好きだよ。大好き、好きだよ。可愛い。大好き」
山ちゃんの優しい声が耳に入って来た。
嘘はついたらいけないって思ってたけど、嬉しい嘘もあるって初めて知った。
俺との約束は「朝、起きたら」なのに、俺が起きる前から「好き」って言ってくれて、頭を撫でてくれてる。
山ちゃんは嘘つきだ。
山ちゃんの「好き」をずっと聞いていたくて、わざと目を閉じたままでいる。
なのに
ぐうー
って、俺のお腹から豪快な音がなる。
山「ふはっお腹が空いてるのに、狸寝入りしてる慧が可愛い」
伊「・・・」
ぐうーぐうー
山「はちゃめちゃお腹が空いてるのに、寝たふりするのはなんで？目を開けても好きって言うよ？」
伊「・・・本当に？」
山「本当に」
伊「ふあーっ、目が覚めたぁ」
目を開けて両手をばんざいして、伸びをして山ちゃんを見たら、くすくす笑ってる。
ぶぅって、ほっぺを膨らませたら、そのほっぺにキスをしてくれて、とがったくちびるにキスをした。
山「おはよう。可愛い慧。好きだよ」
伊「おはよ。俺も大好き」
山「ご飯、行こう」
伊「行こう！行こう！納豆ご飯！」
山「・・隣で食べないで欲しい」
伊「ふはっ、冗談だよ。納豆食べたら、キスしてもらえないから、食べないよ」
ベッドから降りて、洗面所で顔を洗って歯磨きする。
ガシガシ磨いてたら、山ちゃんも来て歯磨きをはじめた。
ふたり並んで歯磨き。
なんか、一緒に住んでるみたい！
伊「りょーふけえ」
山「んっ？」
伊「はみはみしたらひすして」
山「んっ」
嬉しそうに山ちゃんがうなずいて、歯磨きが終わったら、約束通りキスしてくれた。
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作者名：昨日 | 作成日時：2024年1月20日 9時
