☆ ページ25
in side
ふたりで、いちごのチョコを食べさせ合っこして、キスをして、チョコ味なえっちをして、一緒に寝た。
寝たけど、俺は分かってる。
絶対にある。どこかにある。って。
朝早くに目が覚めて、そっとベッドから降りる。
すやすや寝てる山ちゃんを起こさないように、寝室から出て、捜索を開始。
冷蔵庫、キッチン、ゲームの部屋と見て回ったけど、ない。
洋服がいっぱい置いてある部屋に入ってクローゼットを開けたら、目的のブツがあった。
やっぱり、あった。
「おはよー」
山ちゃんがあくびして、寝ぐせがいっぱいな頭をぼりぼりかきながら、寝室から出て来た。
ダイニングの椅子に座る俺と、俺の目の前のテーブルにキレイに並んだチョコたちを見て、あって顔をした。
山「ど、どしたの？」
伊「クローゼットの中にあった」
山「ぎっ、義理チョコだから。もちろん」
伊「・・・」
山「みんなに配ってて、もらわないとしょうがない雰囲気でさ」
伊「・・・」
めっちゃ喋るじゃん。山ちゃん。
俺は、すうっと息をすって口を開く。
伊「ずるいから。チョコもらったんなら、分けてよ。こんだけ、ひとりで食べるつもりだったの？ずるいから！」
山「へっ？」
伊「いつも薮と光と高木と大ちゃんからチョコのお裾分けもらってたから、今年は涼介からもお裾分けもらえると思ってたら、隠してるんだもん。ずるい！」
今年から、チョコをもらえる人が増えたと思って、楽しみにしてたのに、山ちゃん何も言ってくれないから、探しちゃったじゃん。探したら、チョコいっぱいだし。
椅子に座った山ちゃんが笑い出した。
笑ってごまかそうとしてる！と思ってたら、山ちゃんが笑った意味を教えてくれた。
山「てっきり、ヤキモチ妬いたのかと思った。チョコをもらって隠してたから」
伊「・・・なんで、ヤキモチ？」
山「バレンタインはチョコを渡して告白する日だから」
伊「・・・俺、毎年チョコもらうけど告白された事、ない。山ちゃんは告白されたの？」
山「されてないよ」
伊「・・・あっ！」
そうか！
山ちゃんに言われて、気が付いた。
慌て立ち上がって大きな声で山ちゃんに伝える。
「涼介、好きです」
バレンタインはチョコを渡して告白する日なら、俺は告白をまだしてない事に気が付いた。
チョコは昨日の夜に食べちゃって無いから、告白だけになっちゃったけど、ちゃんとしないと！バレンタインだから。にっこり笑って、もう1度伝える。
「涼介、好きです」
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作者名：昨日 | 作成日時：2024年1月20日 9時
